研究課題
本研究では、小麦粉製品のおいしさ予測モデルを開発するために、まず、製造現場での実用面を考慮し、簡易にデータを取得可能なイメージスキャナを用いた単純な撮像方法と画像処理により、「すだち」と呼ばれるパンの気泡構造のパラメータを定量化する一連の気泡画像計測アルゴリズムを開発した。そして、得られた気泡パラメータと物性パラメータの一つである粘弾性係数の相関分析を行った結果、気泡面積割合(気泡パラメータ)と粘弾性に正の相関(r>0.59,p<0.05)があることが分かった。すなわち、気泡面積の割合が大きいほど、「かたく」感じられることが示唆された。また、米粉および米を糊化させて調製した糊化米粉およびお粥を混合した糊化米粉パンおよびお粥パンを開発し、その粘弾性および気泡構造の特性を明らかにした。糊化米粉パンおよびお粥パンは既存の米粉パンや小麦粉パンよりも柔らかく、膨張性が高いことから、米を利用したパンの普及に貢献できると考えられる。さらに、様々な波長の光を試料に照射ときの蛍光応答を計測する「蛍光指紋」を用い、パン生地中のグルテンとデンプンの分布を可視化する手法を開発した。可視化手法、及び、可視化によって明らかにされたパン生地の状態や製造工程における変化について、英文雑誌に2報の論文を投稿し(現在は査読中)、国内学会で2件の発表、国際学会で1件の発表を行った。そのうち、国内学会では優秀口頭発表賞を1件、国際学会では最優秀ポスター賞を受賞した、その他、本年度の論文発表業績は計11件(うち英文誌6件)、学会発表は計5件となっている。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (5件)
Food and Bioprocess Technology
巻: (印刷中、2010年8月17日オンライン閲覧可能 掲載確定)
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