研究課題
本研究では、励起・蛍光マトリクスによるパン生地中のグルテン分布の可視化および定量化に成功した。具体的には、ミキシング条件を4段階に調製したパン生地の励起・蛍光マトリクスを画素単位で計測し、そのパターンの違いをカラースケール化するイメージング手法を適用してパン生地中のグルテンの判別アルゴリズムを作成、妥当性を検証し、最終的にパン生地中のグルテンの可視化と定量化が可能となった。また、薄片化した焼成パン試料の断面をスキャナで撮像し、得られた画像データに形態画像解析を適用し、パン内部構造の気泡直径、面積等の気泡単体のパラメータを定量化するためのアルゴリズムを開発し、焼成パンの「すだち」と呼ばれる気泡構造を定量化した。加えて、焼成後のパンの食感に直接影響を与える粘弾性パラメータの特定を試みた。具体的には、米ゲルパン試料の生地攪拌時間を変化させながら粘弾性と比容積の対応関係を測定したところ、試料の膨張性と柔らかさが必ずしも対応しないという結果が得られた。このことから、試料の品質をより精緻に評価するためには、試料の賞味期限等も考慮に入れつつ総合的に評価することが不可欠であるとの結論に至った。なお、おいしさ予測モデルの開発については、官能評価データの精度向上が課題である。今後は、試料の水分活性を追加的に測定することにより試料の品質を長期保存性といった観点からもあわせて評価することが必要となるだろう。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cereal Chemistry
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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http://www.iai.ga.a.u-tokyo.ac.jp/nabetani-araki2012/src/index.html