【目的】免疫刺激性オリゴヌクレオチド(ISS-ODN)は、樹状細胞やマクロファージに発現するDNA受容体(TLR9)を介して自然免疫系を活性化することが知られている。本研究では、乳酸菌由来のISS-ODN(MsST)が強く誘導するIL-33の機能解析を行うことを目的とした。とくにproIL-33を分解するcaspaseファミリーの発現と活性化について解析した。【方法】C57BL/6雄マウスから脾臓細胞を調製し、MsSTおよびコントロールのODN 1612で刺激した。その後、経時的変化に伴う13種のIL-33関連タンパク分子の発現を定量的PCR法により解析を行った。また、活性型caspase 8の発現を抗caspase 8抗体およびHRP標識抗ヤギIgG抗体を用いたウエスタンブロット法により解析を行った。【結果】定量的PCR法により各種mRNAの発現解析を行った結果、MsST刺激後3-6hrにかけてIL-1α、IL-1β、IL-18およびcaspase 12の発現が誘導された。刺激後24hrからはIL-1α、IL-1β、IL-18およびcaspase 12の発現は抑制され、caspase 8関連タンパク分子が強く誘導された。ウエスタンブロット法によりcaspase 8の発現解析を行った結果、24-96hr全てのタイムポイントにおいて、MsST刺激によるp18活性型断片は検出された。【考察】MsSTによるcaspase 8関連タンパク分子の発現誘導からcaspase8の活性化が示されたことから、caspase 8の活性化するcaspase 3断片がIL-33を切断してTh2型サイトカインの産生を抑制する可能性が示唆された。
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