研究概要 |
平成23年度はDnmt3bΔ5の性質について、主に下記の解析実験を行った。 1)脱メチル化活性実験 P19細胞株(EC細胞)に、(1)pCAG-Dnmt3b1Δ5-IRES-EGFP、(2)pCAG-Dnmt3b1-IRES-EGFP、(3)pCAG-Dnmt3b6Δ5-IRES-EGFPもしくは(4)pCAG-EGFP(as control)と一緒に予めHpaIIメチラーゼ処理したH19遺伝子由来b-fragment(pEdBsl-b)をコトランスフェクションした。72時間後に細胞を回収し、GFP陽性細胞をセルソーター(FACSCalibur HG,BD社)で取り出した。トランスフェクション効率は(1)~(3)が約6割、(4)が8割であった。DNAを抽出し、バイサルファイト処理後、b-fragment特異的プライーマーを用いてPCRを行い、増幅産物をHpy188Iで消化した後、電気泳動によりバンドのパターンを確認した。その結果、いずれの実験区においても、メチル化された配列はそのままであった。 2)キメラ作製実験 上記のDnmt3bΔ5強制発現ベクターを初期胚とほぼ同じ性質を持つES細胞に導入して強制発現させた。このES細胞については、インプリント遺伝子(Peg1/Mest, Snrpn, Igf2r, H19など)について、大きなメチル化変化はなかったため、胚盤胞期胚に10-15個のDnmt3bΔ5発現ES細胞、もしくはコントロール(GFP)ES細胞を注入し、キメラマウスを作製した。今後は、キメラマウスの体細胞よりES細胞由来細胞を取り出し、DNAのメチル化状態に変化があるのか確認を行う予定である。
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