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2011 年度 実績報告書

マイナス鎖RNAウイルスの自然免疫回避戦略におけるヌクレオカプシド蛋白質の役割

研究課題

研究課題/領域番号 22780261
研究機関岐阜大学

研究代表者

伊藤 直人  岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20334922)

キーワード狂犬病ウイルス / マイナス鎖RNAウイルス / ヌクレオカプシド / 自然免疫 / インターフェロン / RIG-I
研究概要

強毒の狂犬病ウイルス固定毒の西ヶ原株は、その派生株で弱毒のNi-CE株と比較した場合、宿主細胞のウイルスRNAセンサー分子であるRIG-Iの活性化を効率的に回避し、I型インターフェロンの産生を抑制する。西ヶ原株N遺伝子をNi-CE株のゲノムに持つキメラウイルスCE(NiN)株がNi-CE株よりも効率よくRIG-Iの活性化を回避することから、西ヶ原株とNi-CE株のRIG-I活性化回避能の違いにN蛋白質が関与することが明らかとなっている。本研究の目的は、この機序を解明することである。
最近の研究の進展により、様々なウイルスのゲノムRNA及び複製干渉RNA(DI RNA)がRIG-Iにより認識されることが示唆されている。この知見より、西ヶ原株N蛋白質は、これらのRNAの産生を抑制することによりRIG-I活性化の回避に関与している仮説が考えられた。最初に、Ni-CE株及びCE(NiN)株感染細胞におけるDI RNA産生量の比較実験を計画した。しかし、狂犬病ウイルスの複製干渉RNAの分子構造についてはほとんど報告がなく、この情報不足によりDI RNAの定量システムの構築が困難な状況にあった。そこでまず、Ni-CE株及びCE(NiN)株感染細胞に存在するDI RNAの分子構造の決定を行った。その結果、それぞれの感染細胞に1303~1461塩基及び1200~1305塩基からなる種々の長さのDI RNAが存在することが分った。これらの分子構造は、基本的に「3'ゲノム末端配列-N遺伝子(部分)-[L遺伝子(部分)クローンによっては存在しない]-5'ゲノム末端配列」であった。以上より、狂犬病ウイルス感染細胞中のDI RNA定量法を確立するために必要な基盤情報が得られた。
上記の仮説とは別に、ゲノムRNAのカプシド化効率の違いがNi-CE株及びCE(NiN)株のRIG-I活性化回避能の相違に関与する可能性が考えられた。そこで、抗N蛋白質抗体で免疫沈降されたヌクレオカプシド中のゲノムRNA量をNi-CE株及びCE(NiN)株感染細胞間で比較した。その結果、両者の間に有為な差は認められなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] N遺伝子への変異導入による狂犬病ウイルス弱毒株の作出2011

    • 著者名/発表者名
      中川敬介
    • 学会等名
      第152回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      大阪府立大学(堺市)
    • 年月日
      2011-09-19

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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