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2010 年度 実績報告書

精原幹細胞の維持ならびに分化におけるホメオドメイン転写因子Meis1の役割

研究課題

研究課題/領域番号 22780264
研究機関東京理科大学

研究代表者

河合 康洋  東京理科大学, 生命科学研究所・発生および老化研究部門, 助教 (00416281)

キーワードHOX共役転写因子 / 精子形成 / 精原幹細胞
研究概要

精子形成は、精原細胞の増殖および分化、精母細胞における減数分裂を経て、半数体の精子細胞、機能的な精子への形態変化へと進行していく。近年、Plzf、Ngn-3、Nanos2、Sox3などの分子が精原細胞の維持や分化に関与することが明らかにされてきているが、精原細胞の幹細胞性維持機構や分化制御に関わる転写制御機構については、未だ知見が乏しい状況である。Meis1は、TALE-familyに属するホメオドメイン転写因子であり、当研究室ではコンディショナルノックアウトマウスを用いて、Meis1が造血幹細胞や上皮幹細胞の維持に関与していることを明らかとしてきている。精巣においても、Meis1はThy1陽性c-Kit陰性の精原細胞に強く発現していることから、Meis1が精原細胞の増殖ならびに分化の制御に関与している可能性が考えられる。そこで本研究では、精原細胞特異的にMeis1を欠損するマウスを用いて、精子形成におけるMeis1の役割について解析を行った。Ngn3-cre ; Meis1^<F/F>マウス精巣の組織学的解析を行った結果、4週齢では、コントロール精巣と比較して顕著な形態学的な異常は観察されなかったが、7週齢の精巣においては、精細管が萎縮あるいは空胞化し、精子形成不全であった。空胞化した精細管内に精原細胞は認められず、一方、萎縮した精細管では精原細胞が蓄積し、それら蓄積した精原細胞は、TUNEL陽性のアポトーシスを起こしていた。また、16週齢のNgn3-cre ; Meis1^<F/F>マウス精巣においては、ほぼ全ての精細管が空胞化し、空胞化した精細管内に精原細胞は存在せず、TUNEL陽性細胞も認められなかった。以上の組織学的解析結果は、Meis1欠損により分化停止を伴う精原細胞の異常蓄積が起こり、それに伴いアポトーシスによる精原細胞の消失が生じた可能性を示唆しており、したがってMeis1が精原細胞の増殖あるいは分化に重要な機能を有していることが明らかとした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A missense mutation of the Dhh gene is associated with male pseudoher maphroditic rats showing impaired Leydig cell development.2010

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Kawai, et al.
    • 雑誌名

      Reproduction

      巻: 141(2) ページ: 217-225

    • 査読あり
  • [学会発表] 精子形成過程におけるMeis1の役割2010

    • 著者名/発表者名
      河合康洋、後飯塚僚
    • 学会等名
      日本アンドロロジー学会
    • 発表場所
      日本獣医生命科学大学
    • 年月日
      2010-07-30

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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