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2011 年度 実績報告書

犬バベシア症に対するアトバコンを中心とした多剤併用療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22780281
研究機関鳥取大学

研究代表者

松鵜 彩  鳥取大学, 農学部, 准教授 (40348595)

キーワードBabesia gibsoni / アトバコン / 連続培養 / ミトコンドリア / Dehydroorotate dehydrogenase / 多剤併用療法
研究概要

本研究は、これまでに確立した野生型およびアトバコン(ATV)耐性Babesia gibsoni培養株を用いて、犬B. gibsoni感染症に対するATVを中心とした多剤併用療法の確立を目指すものである。本年度は(1)in vitroにおけるATVと他剤との相互作用についての検討を行い、(2)さらに感染動物に対するアトバコンと多剤の併用療法の試みを実施した。
(1)野生型およびATV耐性B.gibsoni培養株に対してATVと、Diminazene aceturate, Azithromycin, Doxycycline, Clindamycin, Proguanilの相互作用を確認したところ、いずれも相乗~相加作用が認められ、明らかな拮抗作用を示すものはなかった。
(2)(1)の結果を受け、ATVおよびProguanilの合剤であるMaralone^[〇!R](GraxoSmithCline)を、実験的に感染を成立させた犬に10日間投与し、その治療効果および副作用発現の有無について検討を行った。その結果、急性期および慢性期犬B. gibsoni染症に対して本薬剤は速やかな治療効果を有することが示された。またMaralone^[〇!R]は犬に対して強い副作用は示さず、安全に使用できることが確認された。しかし、すべての犬において治療終了後に原虫の再出現、ATV耐性の発現が確認された。
犬B. gibsoni感染症に対するMaralone^[〇!R]の治療効果を検討した研究はこれまでに報告されておらず、本薬剤は今後臨床現場における急性期犬B. gibsoni感染症の治療薬剤として新たな選択肢となる可能性がある。しかし本薬剤による短期間の治療では再発やATV耐性発現の問題が残り、今後これに対する対策を検討する必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Development of in vitro atovaquone-resistant Babesia gibsoni with a single-nucleotide polymorphism in cytb2012

    • 著者名/発表者名
      Iguchi Aiko, Aya Matsuu, Hiromi Ikadai, Muhanmad Talkuder, Yoshiaki Hikasa
    • 雑誌名

      Veterinary Parasitology

      巻: 185 ページ: 145-150

    • 査読あり
  • [学会発表] 犬Babesia gibsoni感染症に対するアトバコン/プログアニル製剤(Malarone^[○!R])の効果2012

    • 著者名/発表者名
      井口愛子、松鵜彩、筏井宏実、米原尚子、日笠喜朗
    • 学会等名
      日本獣医内科学アカデミー/日本獣医臨床病理学会2012年大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2012-02-18
  • [学会発表] 犬Babesia gibsoni感染症に対するアトバコン/プログアニル製剤(Malarone^[○!R])の効果2011

    • 著者名/発表者名
      井口愛子、松鵜彩、筏井宏実、米原尚子、日笠喜朗
    • 学会等名
      第152回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      大阪府立大学(大阪府)
    • 年月日
      2011-09-20

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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