カドミウム低吸収ダイズ、通常ダイズ品種とも登熟期に地上部へのカ ドミウム蓄積量が増大するが、カドミウム低吸収ダイズは子実中のカドミウム濃度が低く、子 実へのカドミウム移行が少ない特徴をもつ可能性が示唆された。また、両ダイズ品種・系統と もカドミウムの吸収は根圏温度が35℃から15℃の範囲で高く、さらにカドミウム低吸収ダイズ 系統では吸水能とカドミウム吸収能の間に明瞭な関係は認められなかった。したがって、カド ミウム吸収能を遺伝的に改良したとしても、吸水形質への影響は小さいと考えられ、分子生物 学的手法による実用形質を備えたカドミウム極低吸収ダイズの育成が可能であると推察された。
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