有機触媒を含めた不斉合成法を活用して異常アミノ酸を多く含む環状デプシペプチドの効率的な合成法の開発を目的とし、抗HIV活性を有するHomophymine Aと抗結核菌活性を有するLydiamycin Aをその標的とした。Homophymine Aの合成では、まずHomophymine Aに含まれるすべての異常構成成分を合成した。合成した異常アミノ酸を順次縮合させ、環状部分の合成に成功した。残るは側鎖導入で合成完了は目前となっている。Lydiamycin Aの合成では、ピペラジン酸の立体異性体をプロリン触媒による不斉ヒドラジン化反応を用いて作り分け、単離したグループにより提唱された構造を合成することに成功した。
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