• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

高反応性中間体ボリルエナミン類の特徴を活用する新規ドミノ反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22790028
研究機関神戸薬科大学

研究代表者

上田 昌史  神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (00340935)

キーワード共役イミン / ラジカル反応 / ドミノ反応 / [3,3]-シグマトロピー転位 / benzofuro[2,3-b]pyrrole / ラクタム
研究概要

共役イミン類は、付加反応における求電子剤としての性質のみでなく、環化付加反応や窒素原子が求核剤として働くなど多様な反応性をもつ有用な合成素子である。そこで今年度は、共役オキシムエーテルへのラジカル付加反応によって生成するN-ボリルエナミンを新たなドミノ型反応へ展開する目的で[3,3]-シグマトロピー転位を含むドミノ型反応の開発を目指し、酸素原子上にフェニル基を有する共役オキシムエーテルへのラジカル付加反応を検討した。
はじめに、β位にエチルエステルを有する共役オキシムエーテルを基質として用いて、ドミノ型反応を検討した。ジクロロメタン還流中、ルイス酸としてトリメチルアルミニウム及びラジカル開始剤としてトリエチルボランを加えて反応を行ったところ、期待どおり、エチルラジカル付加反応に続いて、[3,3]-シグマトロピー転位が進行した生成物benzofuro[2,3-b]pyrrole-2-oneが、17%と低収率ではあるが得られた。次に収率の向上を目指し、様々な反応条件を検討した。その結果、溶媒としてベンゼンを用いて、還流条件下反応を行った場合に、64%の収率でbenzofuro[2,3-b]pyrrole-2-oneが得られることが、明らかとなった。さらに、エチルエステルの代わりに様々なカルボン酸誘導体を用いて本反応を検討した。その結果、ペンタフルオロフェニルエステルを有する共役オキシムエーテルを基質とした場合に、88%と最も良い収率でbenzofuro[2,3-b]pyrrole-2-oneを与えることが明らかになった。benzofuro[2,3-b]pyrrole骨格は、これまで合成研究がほとんどなされてなく、生物活性評価を含めた今後の展開が期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Silver-Catalyzed Synthesis of Disubstituted Isoxazoles by Cyclization of Alkynyl Oxime Ethers2011

    • 著者名/発表者名
      Ueda, M.; Ikeda, Y.; Sato, A.; Ito, Y.; Kakiuchi, M.; Shono, H.; Miyoshi, T.; Naito, T.; Miyata, O.
    • 雑誌名

      Tetrahedron

      巻: 67(25) ページ: 4612-4615

  • [雑誌論文] Copper(II)Chloride-Mediated Cyclization Reaction of N-Alkoxy-ortho-alkynylbenzamides2011

    • 著者名/発表者名
      Manita Jithunsa
    • 雑誌名

      Org.Lett.

      巻: 13(3) ページ: 518-521

    • DOI

      10.1021/o11029035

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Benzyl Radical Addition Reaction through the Homolytic Cleavage of a Benzylic C-H Bond2011

    • 著者名/発表者名
      上田昌史
    • 雑誌名

      Org.Biomol.Chem.

      巻: 9(7) ページ: 2062-2064

    • DOI

      10.1039/c0ob01148g

    • 査読あり
  • [学会発表] ラジカル付加反応と[3,3]-シグマトロピー転位が連動する新規ドミノ型反応の開発2011

    • 著者名/発表者名
      宮田興子
    • 学会等名
      第61回日本薬学会近畿支部総会・大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2011-11-22

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi