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2010 年度 実績報告書

抗結核薬生合成遺伝子の発見ー抗結核薬の大量生産系の確立と抗癌剤生産への応用ー

研究課題

研究課題/領域番号 22790068
研究機関広島大学

研究代表者

熊谷 孝則  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70274058)

キーワード抗結核薬 / D-サイクロセリン / 生合成遺伝子 / 遺伝子破壊 / 遺伝子相補 / クローニング / 一酸化窒素合成酵素 / Streptomyces lavendulae
研究概要

本年度は,D-サイクロセリン(DCS)生合成遺伝子クラスターの遺伝子(dcsA~dcsH)をそれぞれ破壊したStreptomyces(S.)lavendulae ATCC11924の変異株を作製し,DCS生合成に必須な遺伝子の同定を行った。また,DCSの生合成に関与すると考えられる一酸化窒素合成酵素(NOS)をコードする遺伝子のクローニングを行い,遺伝子破壊実験により,NOS遺伝子のDCS生合成への関与を調査した。
In-frame deletion法を用いた遺伝子破壊により,dcsA,dcsB,dcsC,dcsE,dcsGおよびdcsHの破壊株を作製することができた。各破壊株について,それらのDCS生産をHPLCにより調べた結果,dcsA,dcsB,dcsC,dcsEおよびdcsG破壊株は,DCSを生産しないことが明らかになった。一方,dcsH破壊株はDCSを生産していた。また,dcsA,dcsCおよびdcsG破壊株へそれら遺伝子を相補すると,DCS生産が回復した。dcsBおよびdcsE破壊株については,それらの触媒により合成されると考えられる化合物を添加すると,DCS生産が回復した。これらの結果から,dcsA,dcsB,dcsC,dcsEおよびdcsGは,DCS生合成に必須な遺伝子である一方,dcsHは必須ではないことを明らかにすることができた。また,degenerate PCRを利用した方法により,NOS遺伝子のクローニングに成功し,その遺伝子破壊株を作製した結果,NOS遺伝子はDCS生合成に関与しないことが明らかになった。最終的に,dcsA破壊株へのフィーディング実験により,DCS生合成におけるアルギニンの水酸化は,NOSではなくdcsA遺伝子産物により触媒される可能性を見出すことができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular cloning and heterologous expression of a biosynthetic gene cluster for the antitubercular agent D-cycloserine produced by Streptomyces lavendulae2010

    • 著者名/発表者名
      Kumagai, T., et al.
    • 雑誌名

      Antimicrobial Agents and Chemotherapy

      巻: 54 ページ: 1132-1139

    • 査読あり
  • [学会発表] 遺伝子破壊を用いたD-サイクロセリン生合成遺伝子クラスターの機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      熊谷孝則
    • 学会等名
      2010年度日本放線菌学会大会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2010-09-02

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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