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2012 年度 実績報告書

創薬に指向した黄色ブドウ球菌免疫かく乱タンパク質ファミリーSSLの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790077
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

伊藤 佐生智  名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (70308013)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード細菌毒素 / 黄色ブドウ球菌 / 免疫回避
研究概要

黄色ブドウ球菌の産生する分泌タンパク質ファミリーStaphylococcal superantigen like(SSL)はアミノ酸配列の異なる14種のメンバーからなり,黄色ブドウ球菌の病態形成,免疫回避に重要な役割を果たしていると考えられているが,それらの多くの機能は明らかにされていない.本研究はSSLファミリーの宿主側の標的分子を同定し,SSLと標的分子相互作用の生化学的解析と生理的意義の解析を行い,SSLの免疫回避における役割を明らかにすること,またSSLの持つ宿主側標的分子に対する特異的阻害作用を応用した,創薬を行うことを目的としている.
最終年度である本年度はヒト母乳とブタ脾臓を材料に,SSL結合セファロースビーズを用いてSSL結合タンパク質の探索を行った.その結果,それぞれSSL8に細胞外マトリクスタンパク質であるテネイシンC(TNC)が,SSL3にパターン認識受容体であるToll like receptor 2(TLR2)が結合することが見いだされた.SSL8はTNCに結合することでTNCと別の細胞外マトリクスタンパク質であるフィブロネクチンとの結合を阻害し,TNC存在下でのケラチノサイトの細胞運動を抑制することが明らかとなった.またSSL3はTLR2に結合することでマクロファージからの各種TLR2リガンド(黄色ブドウ球菌細胞壁成分,リポペプチド,黄色ブドウ球菌死菌)によるサイトカイン産生を抑制した.これらの成果についてBiochemical and Biophysical Research Communications誌およびInfection and Immunity誌に投稿,受理された.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Staphylococcal superantigen-like protein 8 (SSL8) binds to tenascin C and inhibits tenascin C-fibronectin interaction and cell motility of keratinocytes.2013

    • 著者名/発表者名
      Itoh S, Yamaoka N, Kamoshida G, Takii T, Tsuji T, Hayashi H, Onozaki K.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 433(1) ページ: 127-132

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2013.02.050.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Staphylococcal superantigen-like protein 3 binds to the Toll-like receptor 2 extracellular domain and inhibits cytokine production induced by Staphylococcus aureus, cell wall component, or lipopeptides in murine macrophages.2012

    • 著者名/発表者名
      Yokoyama R, Itoh S, Kamoshida G, Takii T, Fujii S, Tsuji T, Onozaki K.
    • 雑誌名

      Infect Immun.

      巻: 80(8) ページ: 2816-2825

    • DOI

      10.1128/IAI.00399-12.

    • 査読あり
  • [学会発表] 黄色ブドウ球菌スーパー抗原様タンパク質SSL3はTolllike receptor 2の細胞外領域に結合し,TLR2を介したマクロファージからの炎症性サイトカイン産生を抑制する2013

    • 著者名/発表者名
      横山領介,〇伊藤 佐生智, 鴨志田 剛,奥村拓也,瀧井猛将,藤井聡,辻勉,小野嵜 菊夫
    • 学会等名
      日本薬学会 第133年
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130330-20130330
  • [学会発表] Staphylococcal superantigen-like protein 3 binds to TLR2 and inhibits cytokine production from murine macrophages in response to S. aureus, cell wall component or TLR2 ligand lipopeptides.2012

    • 著者名/発表者名
      Saotomo Itoh, Takemasa Takii, Tsutomu Tsuji, Kikuo Onozaki
    • 学会等名
      第41回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20121205-20121205
  • [学会発表] 黄色ブドウ球菌分泌毒素Staphylococcal superantigen like 3はtoll like receptor 2(TLR2)に結合し,TLR2リガンドによるマクロファージからの炎症性サイトカイン産生を抑制する2012

    • 著者名/発表者名
      横山 領介,〇伊藤 佐生智,鴨志田 剛,奥村 拓也,瀧井 猛将,藤井 聡,辻 勉,小野嵜 菊夫
    • 学会等名
      フォーラム2012 衛生薬学・環境トキシコロジーシンポジウム
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20121026-20121026
  • [学会発表] 黄色ブドウ球菌スーパー 抗原様タンパク質SSL5とマトリックスメタロプ ロテアーゼ9の結合様式の解析2012

    • 著者名/発表者名
      花井朱璃,伊藤佐生智,瀧井猛将,辻勉,小野嵜菊夫
    • 学会等名
      フォーラム2012 衛生薬学・環境トキシコロジーシンポジウム
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20121026-20121026
  • [学会発表] 黄色ブドウ球菌スーパー抗原様タンパク質SSL3はtoll like receptor 2に結合しマクロファージのサイトカイン産生を抑制する2012

    • 著者名/発表者名
      横山 領介,〇伊藤 佐生智,鴨志田 剛,瀧井 猛将,藤井 聡,辻 勉,小野嵜 菊夫
    • 学会等名
      第24回微生物シンポジウム
    • 発表場所
      大坂
    • 年月日
      20120903-20120904
  • [学会発表] 黄色ブドウ球菌分泌タンパク質SSL10はGlaドメインを介して血液凝固因子に結合し,血液凝固を抑制する2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤佐生智,横山領介 ,鴨志田剛, 村瀬千鶴子,岡田浩美,藤井 聡 ,瀧井猛将,辻勉,小野嵜菊夫
    • 学会等名
      第13回Pharmaco-Hematologyシンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120615-20120616

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公開日: 2014-07-24  

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