Wnt/ β-カテニン 経路は、大腸癌などで異常な活性化が観察されることに加え、正常な胚発生を制御するシグナル経路としても知られている。我々は、ゼブラフィッシュの胚発生を指標とした斬新な探索系によって、新規Wnt/β-カテニン経路阻害剤IMU14とその誘導体を同定してきた。本研究では、これらの化合物の作用機構の解明を試みた。IMU14誘導体を固相化したアフィニティ担体を用いた結合実験によって、IMU化合物がβ-カテニンやGSK-3 βを含む複合体と物理的に相互作用することが示された。さらに、ケミカルジェネティクスの手法を用いて、IMU化合物の標的分子とGSK-3βとの機能的相互作用の可能性が示された。
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