我々はこれまでに膜結合型プロスタグランジンE合成酵素-1(mPGES-1)が脳梗塞障害の増悪因子であることを見出してきた。脳梗塞部位において、浸潤した好中球にてmPGES-1が強く発現していた。mPGES-1欠損マウスでは、梗塞障害が軽いだけでなく、梗塞部位での浸潤好中球数が減少した。また、培養好中球細胞にて、走化性と神経毒性はmPGES-1欠損好中球では、野生型好中球に比べ、減少していた。従って、好中球mPGES-1は好中球の梗塞部位への浸潤・集積と、梗塞部位での神経細胞死に寄与することが示唆された。
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