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2010 年度 実績報告書

再生医療への応用を目指したコンドロイチン硫酸の細胞分化制御因子としての機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790096
研究機関神戸薬科大学

研究代表者

三上 雅久  神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (20330425)

キーワードコンドロイチン硫酸 / グリコサミノグリカン / 神経突起伸長 / 糖鎖 / 発現制御 / 発生文化 / 糖鎖・組織 / 酵素
研究概要

コンドロイチン硫酸(CS)はあらゆる組織の細胞表面や細胞外マトリックスに分布し、細胞の接着、増殖、分化や形態形成など様々な現象に関与する。本研究では、細胞分化制御因子としてのCSの潜在的特性を再生医療分野へ応用してゆくための基盤づくりを主目的として、CSが豊富に存在する脳神経系の「(1)神経突起形成」や軟骨組織の「(2)軟骨形成」をモデルに、CSの役割とその作用メカニズムの解明を試みた。
(1).高硫酸化構造をもつCSバリアントであるCS-DやCS-Eには、神経突起の伸長を促進する作用があるが、両高硫酸化CS基質上で促進される神経突起の形態は明らかに異なり、CS-E基質上では、軸索様の長い神経突起の形成が観察されるのに対し、CS-D基質上では、樹状突起様の比較的短い(おそらく未熟な)神経突起が複数本観察されるにすぎない。CS-DとCS-Eの混合基質上で培養した海馬神経細胞の形態を観察したところ、混合基質中に占めるCS-Dの割合が増加するにつれて、CS-E誘導性の長い神経突起の伸長が抑制され、複数本の神経突起をもつCS-Dに特有の形態に収束する傾向が観察された。したがってCS-Dには、CS-E誘導性の神経突起の伸長を打ち消す効果があり、CSによる神経突起伸長阻害のメカニズムの解明に向けて、CS-Dが良いモデル糖鎖となり得る可能性を見いだした。
(2).軟骨分化におけるCSの機能を明らかにする目的で、モデル細胞株であるATDC5細胞の軟骨分化に同調した発現変化を示すコンドロイチン4-O-硫酸基転移酵素-1(C4ST-1)の発現をノックダウンしたところ、C4ST-1により合成・修飾されるCSの発現が減少するとともに、軟骨基質産生を伴う軟骨細胞への分化過程が著しく障害されることが判明した。このC4ST-1ノックダウン細胞では、軟骨分化誘導因子であるBMP4のシグナル伝達が減弱していることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 筋分化過程におけるコンドロイチン硫酸の機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      小山慎司, 藪田ゆみ, 三上雅久, 北川裕之
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会(BMB2010)
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-12-09
  • [学会発表] 高硫酸化コンドロイチン硫酸による神経突起伸長制御とそのメカニズムの解析2010

    • 著者名/発表者名
      金澤弘訓, 山脇美希子, 玉置祐樹, 安永大輝, 三上雅久, 北川裕之
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会(BMB2010)
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-12-09
  • [学会発表] Contactin-1 is a functional receptor for neuroregulatory chondroitin sulfate-E.2010

    • 著者名/発表者名
      Tadahisa Mikami, et al.
    • 学会等名
      The 25^<th> International Carbohydrate Symposium (ICS 2010)
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2010-08-05

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公開日: 2012-07-19  

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