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2010 年度 実績報告書

HDL形成タンパク質ABCA1の新しい活性制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790102
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

奥平 桂一郎  国立医薬品食品衛生研究所, 機能生化学部, 主任研究官 (10425671)

キーワード脂質 / 動脈硬化
研究概要

本研究では、膜トランスポーターABCA1の細胞内ドメイン切断産物による遺伝発現調節機構について、その生理的意義の解明と、詳細なメカニズムの解析を目的とする。本年度は、ABCA1細胞内ドメインの切断に関する阻害剤を用いた検討と、ABCA1細胞内ドメインを発現した細胞における遺伝子の変化について網羅的に解析した。
PMA刺激によりマクロファージ様に分化させたTHP-1細胞を用いて、各種阻害剤でTLR3リガンド依存性のABCA1細胞内ドメインの切断が阻害されるかを調べたところ、TLR3の下流にあるTBK1の阻害剤SU6668で細胞を処理することによって、ABCA1の切断産物の量が減少することが明らかとなった。またセリンプロテアーゼ阻害剤AEBSF、MMP阻害剤GM6001の処理によっても切断産物の減少が観察された。このことは、TLR3の下流のシグナルが動いて、さらにMMPまたはセリンプロテアーゼが、ABCA1の切断に関与している可能性を示唆している。
ABCA1の細胞内ドメインを発現するレンチウイルスを作製し、THP-1細胞、及びヒト初代培養繊維芽細胞に感染させて、細胞内ドメインを強制的に発現する細胞系を構築した。これらの細胞からmRNAを抽出し、それぞれの遺伝子発現レベルの変化について、マイクロアレイにより網羅的に解析し、real-time PCRによりその確認を行った。現在解析中であるが、オントロジー解析の結果から、炎症関連遺伝子の発現がABCA1細胞内ドメインを発現している細胞において減少している傾向が観察された。これはABCA1切断産物が炎症に対して抑制的に働いている可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Tributyltin chloride induces ABCA1 expression and apolipoprotein A-I-mediated cellular cholesterol efflux by activating LXRα/RXR2011

    • 著者名/発表者名
      Cui H, Okuhira K, Ohoka N, Naito M, Kagechika H, Hirose A, Nishimaki-Mogami T
    • 雑誌名

      Biochemical Pharmacology

      巻: 81 ページ: 819-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Binding of PDZ-RhoGEF to ATP-binding cassette transporter A1 (ABCA1) induces cholesterol efflux through RhoA activation and prevention of transporter degradation2010

    • 著者名/発表者名
      Okuhira K, Fitzgerald ML, Tamehiro N, Ohoka N, Suzuki K, Sawada J, Naito M, Nishimaki-Mogami T
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry

      巻: 285 ページ: 16369-77

    • 査読あり
  • [学会発表] ABCA1相互作用タンパク質とRhoを介した脂質搬出反応の制御2010

    • 著者名/発表者名
      最上知子
    • 学会等名
      第32回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2010-11-30
  • [学会発表] Binding of PDZ-RhoGEF to ABCA1 induces cholesterol efflux through RhoA activation and prevention of transporter degradation2010

    • 著者名/発表者名
      奥平桂一郎
    • 学会等名
      第42回日本動脈硬化学会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      2010-07-16
  • [学会発表] PDZ-RhoGEF binds ABCA1 and increases transporter expression and cholesterol effiux via RhoA activation2010

    • 著者名/発表者名
      奥平桂一郎
    • 学会等名
      The 27th Naito Conference
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2010-06-30
  • [備考]

    • URL

      http://www.nihs.go.jp/dfbg/frame.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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