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2011 年度 実績報告書

質量分析法を用いた細胞内ニトロキシルの高感度検出法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22790112
研究機関京都大学

研究代表者

津元 裕樹  京都大学, 薬学研究科, 特定助教 (00409385)

キーワード生物活性物質 / ニトロキシル / 質量分析
研究概要

本研究は活性窒素種の一つであるニトロキシル(HNO)を、質量分析法(MS)を用いて特異的かつ高感度に検出するために必要な"HNO特異的高感度検出プローブ"の開発を行うことである。平成23年度の研究実績概要は以下の通りである。
1.HNO検出プローブとしてMSにおける高感度化、および培養細胞への応用が期待できる水溶性を有するチオール化合物(RSH)を用いることとした。HPLCの分離条件、MRM法の条件などを再検討し、RSHおよびそのジスルフィド体(RSSR)を用いて検量線を作成した。その結果、MRM法では0.1-100pmolの範囲で良好な直線性が得られ、検出限界は数十fmolであることがわかった。RSHとHNO放出化合物の反応生成物をMRM法で定量した結果、一等量以上のHNO放出化合物存在下ではRSHは消失し、RSSRが収率約30%で生成することが分かった。これらの結果より、HNOマーカーである反応生成物スルフィンアミド(R-SONH2)の収率は約70%と考えられる。
2.RSONH2がHNO特異的マーカーになり得るかを検討するため、RSHとNO放出化合物などとの反応生成物をMRM法で定量分析した。その結果、HNO放出化合物以外ではRSOMI2のピークはほとんど検出されなかった。よって、RSONH2はHNO特異的マーカーになり得ることが示唆された。しかしながら、HNO放出化合物の場合と同様、NO放出化合物などの存在下でもRSSRが生成すること、また、その他の副生成物が生成することも高分解能質量分析により明らかとなった。
本研究はMSを用いてHNO特異的マーカーの定量法を開発したという点が特徴である。今後の研究によりさらに高感度でHNOに特異的なプローブを開発出来れば、生物学的環境下におけるHNO検出のツールとして利用され、HNOの役割の解明に貢献できるものと期待される。

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公開日: 2013-06-26  

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