【申請時の研究目的および計画】1)光学活性DCP-LA大量合成法の開拓および薬理評価(H22年度);2)誘導体合成および構造活性相関研究(H22年度~H23年度);3)ターゲット探索(アフィニティ樹脂)(H23年度~24年度) 【H24年度研究進捗状況】 研究計画1に関しては、H23年度に引き続き大量合成をした光学活性DCP-LAのさらなるin vivo実験データ取得を行い、認知症モデルマウスにおいて有効な抗認知症作用を示すことを見出し、学術論文誌に公表した。(遂行達成率95%) 研究計画2に関しては、平成23年度に見出したDCP-LAに替わるラットの海馬における長期記憶増強作用活性を持つ新規誘導体HUHS2002の広範な薬理活性評価を行い、in vivoにおいてもDCP-LAと同等な抗認知症活性を見出すことに成功し学術論文誌に公表した2)。さらに、分子生物学的手法に基づくHUHS2002の作用メカニズムの初期検討についても検討し、PKCを直接活性化するDCP-LAとは異なりPP1を直接阻害してCaMKIIを活性化する結果を得たため学術論文誌に公表した。(遂行達成率95%) 研究計画3に関しては、既にH23年度において、アフィニティ樹脂により同定したいくつかの特異的結合タンパク質について蛍光標識体作成し、DCP-LA光学活性体の投与により、細胞内局在などからのターゲットバリデーション研究により、特異的結合蛋白質のうちの1つの蛋白質が極めて有力なターゲット候補タンパク質であるとのデータを得た。本研究期間内中に本結果を学術論文へ投稿することは間に合わなかったものの、本年中には投稿の見通しは立てることが出来た。(遂行達成率85%)
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