研究課題
PET(Positron Emission Tomography; 陽電子画像診断法)は近年様々な進化を遂げており、生きたまま生体の機能を可視化する有効な手法である。しかしながら、そのためのPETプローブ開発は進んでいるとは言いがたい。申請者の所属研究室では代謝安定型である炭素―炭素結合を用いたPETプローブ合成を行って来た。しかしながら、炭素―炭素結合を形成する標識化学反応では金属化合物を用いるために、生体に投与する最終製剤へ金属化合物の残留という問題が起こり得る。そこで、本研究提案では有機金属化合物を固相に担持した錯体を用いることで化学的アプローチから最終製剤への安全性を担保することを目的とした。本課題においては固相担持金属錯体を用いたクロスカップリング反応を用いる計画を立てた。固相担持型の金属錯体はメリットとして、反応後の金属錯体を濾過のみで取り除けることにある。反面、デメリットとして反応速度が遅い、錯体濃度を上げることが難しいことが挙げられた。まず、反応が最大に進行する条件を見つけるために通常の固相反応に準じた反応条件下で速やかなメチル化反応が進行する条件検討を行った。その結果、温和な加熱条件下(50~70度)で低収率ではあるが反応が進行することがHPLCにより確認できた。そこで、反応中にバブリング操作を加えることで、静置条件下よりも反応効率は上昇することが確認できた。このことから、固相担持パラジウム錯体を用いた標識化学反応は更なる条件検討は必要かと考えられるものの、反応性の向上等も見られることから応用は可能であると判断できた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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