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2011 年度 実績報告書

薬剤耐性HIV-1出現を回避するNMT1を介した新しいHIV/エイズ制御法

研究課題

研究課題/領域番号 22790130
研究機関熊本大学

研究代表者

高宗 暢暁  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (60322749)

キーワードウイルス / 感染症 / 薬学
研究概要

現行の抗HIV/エイズ治療法の最大の問題である薬剤耐性HIV-1出現を回避するため、新しいHIV-1複製制御法を目指すことを大目標としてきた。その標的分子の条件として、1)宿主因子であり、2)その宿主因子と関わるウイルス性因子は高度/完全に保存されていることとした。本研究では、この2条件に合致する宿主因子N-ミリストイルトランスフェラーゼ(NMT)を標的とする、HIV-1複製に対する特異性の高い、新しいNMT制御・阻害方法開発のための基礎研究を行った。
研究の特色は、複数のNMT isozymeの存在とリボゾーム局在型NMTに着目しHIV複製と密接に関連すると予想されたリボゾーム局在型NMT1をターゲットとした新しい抗HIV戦略を目指す点である。当該年度はNMTのリボゾーム局在の機構解明のための基礎研究を実施した。NMTのアミノ末端領域はリボゾーム局在に重要な役割を果たしていることが分かってきた。特にアミノ末端領域のリン酸化とリボゾーム局在との関連が示唆された。またNMT1と相互作用するタンパク質の探索を行い、これまで、NMT1がおよそ250kDaの複合体で存在していることが明らかになり、その構成タンパク質の一つである70kDaの結合タンパク質を同定した。このタンパク質はNMTのアミノ末端領域を介して相互作用していることが示唆された。また、NMT1のアミノ末端領域からなる変異体(触媒領域欠損変異体)の発現が、HIV-1産生の低下をもたらした。このことは、リボゾー局在型NMT1がHIV産生と関連していることが示唆された。今後、NMT複合体の全容を明らかにし、個々のタンパク質のNMTの機能発現における意義を解明していく。その中で、これまでに無い全く新しい、NMTを介したHIV-1複製制御法のための新しい戦略を構築していこうと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Induction of extremely low protein expression level by fusion of C-terminal region of Nef2012

    • 著者名/発表者名
      高宗暢暁、入坂由香梨、山本充奈美、原田圭輔、庄司省三、三隅将吾
    • 雑誌名

      Biotechnology and Applied Biochemistry

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] N-myristoyltransferase触媒領域欠損変異体によるHIV産生の抑制2011

    • 著者名/発表者名
      高宗暢暁、黒江徹也、棚田訓彰、杉本幸彦、庄司省三、三隅将吾
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都)
    • 年月日
      2011-09-24
  • [学会発表] HIV-1 Nefの低発現性の特徴とその機能との関連2011

    • 著者名/発表者名
      高宗暢暁, 原田圭輔、山本充奈美、杉本幸彦, 庄司省三, 三隅将吾
    • 学会等名
      日本生化学会九州支部例会
    • 発表場所
      久留米大学(福岡)
    • 年月日
      2011-05-21

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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