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2010 年度 実績報告書

味細胞におけるアデノシンの生理的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790134
研究機関京都薬科大学

研究代表者

西田 健太朗  京都薬科大学, 薬学部, 助教 (20533805)

キーワード味細胞 / アデノシン / 味覚
研究概要

味覚の認識に関わる味蕾には味細胞が集積している。味細胞はI型からIV型まで分類されており、味覚情報伝達においてATPは重要な味細胞間の情報伝達物質である。味刺激によって味覚受容体が興奮すると、II型味細胞からATPが放出され、III型味細胞に情報を伝達することが報告されている。一方で、I型味細胞にはATP代謝に関わるエクトエンザイムであるENTPD2が発現しているため、ATPは速やかに代謝されることが推察される。しかしながら、味細胞間でのadenosineの濃度制御機構については未だ不明である。本研究では、味覚情報伝達におけるアデノシンの生理的意義を明らかにすることを全体構想とし、具体的には、味蕾の味細胞におけるアデノシンの細胞膜輸送機構及び情報伝達機構を明らかにすることを目的とする。本年度は、味蕾の各味細胞(I-III型)におけるヌクレオシド輸送担体(NT)の中で、特にequilibrative nucleoside transporter 1 (ENT1)の発現局在をRT-PCR法および免疫組織染色法により検討し、各味細胞別のENT1陽性細胞数について解析した。その結果、ENT1 mRNA発現は有郭乳頭部位で認められた。次に、抗原吸収試験により抗ENT1抗体の特異性を確認した後、免疫二重染色にて各味細胞でのENT1発現を検討したところ、PLC-beta2陽性II型味細胞の71%、chromogranine-A陽性III型味細胞の66.4%でENT1発現が認められた。一方、ENTPD2陽性I型味細胞ではほとんど認められなかった。これらの知見により、味細胞間での情報伝達に関して、II型味細胞とIII型味細胞におけるENT1を介したアデノシンの細胞内取り込みにより、アデノシン動態が制御されている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Contribution of P2X7 Receptors to Adenosine Uptake by Cultured Mouse Astrocytes.2010

    • 著者名/発表者名
      Okuda H.
    • 雑誌名

      Glia

      巻: 58 ページ: 1757-1765

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット有郭乳頭におけるヌクレオシド輸送担体の発現局在2011

    • 著者名/発表者名
      Kitada T, Nishida K, et al.
    • 学会等名
      第131回日本薬学会年会
    • 発表場所
      ツインメッセ静岡
    • 年月日
      2011-03-30
  • [学会発表] ラット味蕾の味細胞におけるヌクレオシド輸送担体の発現分布2010

    • 著者名/発表者名
      Nishida K
    • 学会等名
      第44回味と匂い学会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      20100908-20100910
  • [学会発表] ラット有郭乳頭におけるヌクレオシドンスポータENT1の発現局在2010

    • 著者名/発表者名
      Kitada T, Nishida K, et al.
    • 学会等名
      第60回日本薬学会近畿支部総会・大会
    • 発表場所
      摂南大学
    • 年月日
      2010-10-30

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公開日: 2012-07-19  

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