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2011 年度 実績報告書

栗イガの化学的研究に基づく未利用資源の機能開発と応用研究

研究課題

研究課題/領域番号 22790141
研究機関松山大学

研究代表者

好村 守生  松山大学, 薬学部, 助教 (80454891)

キーワードポリフェノール / 加水分解性タンニン / エラグ酸誘導体
研究概要

ブナ科クリ(Castanea crenata)の葉,樹皮,実の渋皮には加水分解性タンニン類が豊富に含まれることが知られており,それらには強い抗酸化活性を含む多彩な機能が報告されている.一方で,クリのイガは厄介者扱いされるだけで全く研究対象とされていないことから,未利用植物素材の機能開発および有効活用に向けた基礎的研究の足がかりとする目的でイガに含まれる成分の検討を行った.昨年までの検討において,イガの各種有機溶媒抽出エキスのうちORAC法のよる抗酸化能評価で高い活性を示したイガの70%アセトン抽出物から14種のポリフェノール類を単離・構造決定し,本抽出エキスには加水分解性タンニンやエラグ酸類が主要成分として豊富に含まれることを明らかにした.
本年度の検討のうち,単離した化合物についての抗酸化能評価(ORAC法)ではプロトカテク酸,kaempferol3-O-(6"-O-p-coumaroy1)-glucosideに顕著な抗酸化活性を認めたほか,加水分解性タンニンである1,2,3,6-tetra-O-galloylglucose,casuarictinにも強い活性を認めた.チロシナーゼ阻害活性の測定ではエラグ酸類には活性を認めなかったが,加水分解性タンニン類(1,2,3,6-tetra-O-galloylglucose,tellimagrandinII)に強い阻害活性を認めた.また,本抽出エキス中に豊富に含まれるC-配糖体型エラジタンニンであるcasuarininを加水分解することで,本研究課題の主要目的化合物であるエラグ酸3-C-glucosideを得た.本化合物についても同様の活性評価を行った結果,チロシナーゼ阻害活性は認められなかったが,抗酸化能評価ではエラグ酸の約2倍(モル比)の活性を示した.次年度以降の検討では,得られた各化合物についての更なる評価系での活性測定を行うとともに,より効率的にエラグ酸3-C-glucosideを得るための検討を行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

栗イガの成分精査から14種のポリフェノール類を単離・構造決定し,生理活性評価に供する試料を得た.また,豊富に得られたC-配糖体型エラジタンニンであるcasuarininを加水分解することで,本研究課題の主要標的化合物であるエラグ酸のC-配糖体化物を得た.生理活性評価では,ORAC法,チロシナーゼ阻害活性の評価系を確立し,得られた各化合物についての評価を行った.上記実験を当初の目標期間内に遂行している.

今後の研究の推進方策

本研究課題の主要標的化合物であるエラグ酸3-C-glucosideをイガから効率良く得る手法の検討を行うことで,末利用資源の有用開拓を行う.また,当初の研究計画では樹状細胞を用いた評価系でのバイオアッセイを検討していたが,当該細胞が生産中止となり供給が見込めないため,新たな生理活性評価系を構築することで多角的に含有成分の評価を行うこととする.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 栗イガに含まれるポリフェノール成分2012

    • 著者名/発表者名
      好村守生
    • 学会等名
      日本薬学会第132年会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2012-03-30

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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