尿毒症物質排泄機構増強による腎不全治療

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22790144
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 医療系薬学
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 鈴木 健弘 東北大学, 病院, 助教 (50396438)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2011
• キーワード: 薬物動態・代謝学 / トランスポーター / 腎不全 / 尿毒症物質

研究概要

慢性腎臓病では尿毒症物質が腎障害を進行させるため、その排泄を促進する治療法が必要である。ヒトの腎臓で尿毒症物質を排泄する蛋白質SLCO4C1を発見した。腎不全ではSLCO4C1が低下して尿毒症物質が蓄積する。ヒトSLCO4C1を過剰発現させたラットでは尿毒症物質排泄が促進して高血圧、心肥大と腎臓の炎症が改善する。脂質異常症治療薬のスタチンにはSLCO4C1を増強する作用があり、慢性腎臓病患者にスタチンを投与すると血中の尿毒症物質が低下した。

研究成果

• [雑誌論文] 尿毒素と腎線維化 (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘、阿部高明
  • 雑誌名: 医学のあゆみ 巻: 240 ページ: 309-314
• [雑誌論文] スタチンによる尿毒症物質排泄トランスポーター発現制御と腎不全治療 (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘、阿部高明
  • 雑誌名: Therapeutic Reserch 巻: 33 ページ: 201-203
• [雑誌論文] Transcriptional regulation of Organic anion transporting polypeptide SLCO4C1 as a new therapeutic modality to prevent chronic kidney disease (2011)
  • 著者名/発表者名: Suzuki T
  • 雑誌名: J. Pharm. Sci 巻: 100 ページ: 3696-3707
  • 査読あり
• [雑誌論文] Metabolomic Profiling of the ADPKD rat model (2011)
  • 著者名/発表者名: Toyohara T, Suzuki T
  • 雑誌名: Clin. Exp. Nephrol 巻: 15 ページ: 676-678
  • 査読あり
• [雑誌論文] Luminal Alkalinization Attenuates Proteinuria-Induced Oxidative Damage in Proximal Tubular Cells (2011)
  • 著者名/発表者名: Souma T, Abe M
  • 雑誌名: J. Am. Soc. Nephrol 巻: 22 ページ: 635-648
  • 査読あり
• [雑誌論文] 尿細管排泄機構と尿毒症物質:トランスポーター発現制御による腎不全治療 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘、阿部高明
  • 雑誌名: 臨床薬理 巻: 42 ページ: 147-148
• [雑誌論文] 甲状腺ホルモン輸送蛋白質 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘、阿部高明
  • 雑誌名: 日本甲状腺学会雑誌 巻: 2 ページ: 26-29
• [雑誌論文] Abe T and Ito S. Stage of chronic kidney disease is an outcome-predicting factor of angioplasty for atheromatous renal artery stenosis (2010)
  • 著者名/発表者名: Tanemoto M, Takeuchi Y, Mishima E, Suzuki T, Abe T and Ito S.
  • 雑誌名: Hypertens. Res 巻: 33 ページ: 1206-1210
  • 査読あり
• [雑誌論文] Metabolomic Profiling of Uremic Solutes in CKD patients (2010)
  • 著者名/発表者名: Toyohara T, Akiyama Y, Suzuki T
  • 雑誌名: Hypertens. Res 巻: 33 ページ: 944-952
  • 査読あり
• [雑誌論文] The HMG-CoA reductase inhibitor pravastatin stimulates insulin secretion through organic anion transporter (2010)
  • 著者名/発表者名: Abe M, Toyohara T, Ishii A, Suzuki T
  • 雑誌名: Drug Metab. Pharmacokin 巻: 25 ページ: 274-282
  • 査読あり
• [雑誌論文] 有機アニオントランスポーターと腎不全 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘、豊原敬文、阿部高明
  • 雑誌名: 臨床高血圧 巻: 16 ページ: 96-111
• [雑誌論文] 腎臓特異的有機アニオントランスポーターSLCO4C1による腎不全物質排泄促進を介した高血圧の是正と腎内炎症の抑制メカニズム (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 雑誌名: 東北医学雑誌 巻: 122 ページ: 106-111
• [学会発表] 慢性腎臓病患者のスタチンによる腎保護効果の検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第24回腎と脂質研究会
  • 発表場所: 京都市
  • 年月日: 2012-03-03
• [学会発表] CKDにおけるトランスポーター発現低下メカニズムの解明~ 尿毒症物質蓄積の悪循環に対する新規治療~ (2012)
  • 著者名/発表者名: 秋山泰利、鈴木健弘
  • 学会等名: 第2回分子腎臓フォーラム
  • 発表場所: 京都市
  • 年月日: 2012-01-21
• [学会発表] CKDにおけるトランスポーター発現低下メカニズムの解明~ 尿毒症物質蓄積の悪循環に対する新規治療~ (2011)
  • 著者名/発表者名: 秋山泰利、鈴木健弘
  • 学会等名: 第2回腎不全病態治療研究会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2011-12-10
• [学会発表] Transcriptional regulation of uremic toxin transporter by uremic toxins (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第26回薬物動態学会年会
  • 発表場所: 広島市広島国際会議場
  • 年月日: 2011-11-16
• [学会発表] Metabolomic Profiling of Uremic Solutes in CKD patients (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: Renal week 2011, ASN
  • 発表場所: Pennsylvania Convention Center, Philadelphia, Pennsylvania, USA
  • 年月日: 2011-11-12
• [学会発表] Indoxyl Sulfate Causes Accumulation of Uremic Toxins through Down-Regulation of SLCO4C1 Transporter (2011)
  • 著者名/発表者名: 秋山泰利、鈴木健弘
  • 学会等名: Renal week 2011, aSN
  • 発表場所: Pennsylvania Convention Center, Philadelphia, Pennsylvania, USA
  • 年月日: 2011-11-11
• [学会発表] Metabolomic Profiling of the Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease Rat Model (2011)
  • 著者名/発表者名: 豊原敬文、鈴木健弘
  • 学会等名: Renal week 2011, ASN
  • 発表場所: Pennsylvania Convention Center, Philadelphia, Pennsylvania, USA
  • 年月日: 2011-11-10
• [学会発表] 尿毒症物質による尿毒症物質排泄トランスポーターSLCO4C1の転写制御と排泄促進の意義 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第34回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 宇都宮市
  • 年月日: 2011-10-22
• [学会発表] スタチンによる尿毒症物質排泄トランスポーター発現制御と腎不全治療 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第23回腎と脂質研究会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2011-10-08
• [学会発表] 腎尿細管の尿毒症物質排泄機構と腎不全治療 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第17回成人病の病因・病態の解明に関する研究会
  • 発表場所: 大阪市
  • 年月日: 2011-07-02
• [学会発表] 尿毒症物質による尿毒症物質排泄トランスポーターSLCO4C1の転写制御の意義 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第54回日本腎臓学会学術総会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 2011-06-17
• [学会発表] 尿毒症物質による尿毒症物質排泄トランスポーターSLCO4C1の転写制御の意義 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第6回トランスポーター研究会年会
  • 発表場所: 仙台市
  • 年月日: 2011-06-11
• [学会発表] Up-regulation of SLCO4C1 uremic toxin transporter expression and function by statins for therapeutics of chronic kidney disease (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 7th International Society of Uremia Research and Toxicity (ISURT)2011
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 2011-05-12
• [学会発表] スタチンによる尿毒症物質排泄トランスポーター発現制御と腎不全治療 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第84回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 神戸市
  • 年月日: 2011-04-23
• [学会発表] シンポジウム9「トランスポーター研究の臨床薬理」S9-3 「尿細管排泄機構と尿毒症物質:トランスポーター発現制御による腎不全治療」 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第31回日本臨床薬理学会年会
  • 発表場所: 京都市
  • 年月日: 2010-12-01
• [学会発表] Up-regulation of SL CO4C1 uremic toxin transporter expression and function by statins for therapeutics of chronic kidney disease (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: Renal week 2010 ASN
  • 発表場所: Colorado Convention Center, Denver, Colorado, USA
  • 年月日: 2010-11-20
• [学会発表] 尿毒症物質排泄を担う腎臓特異的有機アニオントランスポーターSLCO4C1のスタチンによる発現誘導効果の検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第33回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 福岡市
  • 年月日: 2010-10-15
• [学会発表] UREMIC TOXIN TRANSPORTER SLCO4C1 IS ENHANCED BY STATINS (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第25回薬物動態学会年会
  • 発表場所: さいたま市
  • 年月日: 2010-10-07
• [学会発表] 腎臓尿細管特異的有機アニオントランスポーターSLCO4C1の発現制御による腎不全治療 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第1回分子腎臓フォーラム
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2010-09-04
• [学会発表] Statins up-regulate SLCO4C1 uremic toxin transporter expression in the kidney and enhance renal excretion of the uremic toxins (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第42回日本動脈硬化学会総会・学術集会
  • 発表場所: 岐阜市
  • 年月日: 2010-07-16
• [学会発表] シンポジウム1「トランスポーターと薬物動態」「尿細管排泄機構と尿毒症物質・薬物動態:トランスポーター発現制御による腎不全治療の可能性」 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第5回トランスポーター研究会年会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2010-07-10
• [学会発表] 腎臓特異的有機アニオントランスポーターSLCO4C1による腎不全物質排泄促進を介した高血圧と腎内炎症の改善 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘
  • 学会等名: 第53回日本腎臓病学会学術総会
  • 発表場所: 神戸市
  • 年月日: 2010-06-16
• [図書] トランスポーター機能を応用した尿毒症物質の除去Annual Review腎臓2011 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘、豊原敬文、阿部高明
  • 総ページ数: 247-256
  • 出版者: 中外医学社
• [図書] 第21章高血圧モデル完全版マウス・ラット疾患モデル活用ハンドブック (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健弘、阿部高明
  • 総ページ数: 343-360
  • 出版者: 羊土社
• [図書] 今日の診断指針第6版「悪性高血圧症」 (2010)
  • 著者名/発表者名: 阿部高明、鈴木健弘
  • 総ページ数: 1053-2054
  • 出版者: 医学書院
• [備考]
  • URL: http://www.int2.med.tohoku.ac.jp/