リボフラビントランスポータRFT1、RFT2のホモログ分子としてRFT3を新たに同定した。RFT3は脳に高発現し、その他のほとんどの臓器にも発現が認められた。さらに、機能解析の結果、RFT1とRFr3は類似した機能特性を示し、RFT2のみがpH感受性を有することが明らかとなった。これらトランスポータはリボフラビンおよびその類似体に高い特異性を示し、これまでに報告されているリボフラビン輸送体の機能特性と一致する。また、ゲノム上のホモログ検索では、他のRFTホモログの存在は認められない。したがって、RFT1、RFT2、RFT3がヒトにおけるリボフラビン恒常性維持に重要なトランスポータである可能性が示唆された。 さらに、以前報告されているETFやETFDH遺伝子非依存型リボフラビン反応性MADD患者(新生児)およびその母親について、RFT1、RFT2、RFT3の遺伝子多型の探索を行った。いくつかのアミノ酸変異を伴うSNPが発見されたが、リボフラビン輸送能に影響は認められなかった。しかし、RFT1遺伝子のエクソン2及びエクソン3の欠損がヘテロで認められた。この変異とリボフラビン感受性の新生児MADDとの関連が示唆され、症例報告を行った。 以上、初年度には、RFTファミリーに属する新規トランスポータRFT3の同定と各トランスポータの機能特性を明らかにした。さらに、リボフラビン感受性の新生児MADD患者においてRFT1遺伝子の一部欠損を有することを報告した。次年度には、RFTの生理的役割についてさらに解析を続ける。
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