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2010 年度 実績報告書

肝障害リスクを低減した動脈硬化予防薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22790159
研究機関九州大学

研究代表者

窪田 敏夫  九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (50533006)

キーワード薬学 / 脂質 / シグナル伝達
研究概要

申請者は、コレステロール低下薬であるスタチン系薬による肝細胞障害と動脈硬化予防の作用機序の違いを明らかにし、肝障害リスクを軽減した動脈硬化予防薬の開発を目的としている。平成22年度はスタチンによるマクロファージへの酸化LDL取り込み阻害の機序を解明するため、マクロファージへの酸化LDL取り込み評価系の構築に取り組んだ。
ヒト由来急性単球性白血病細胞THP-1を使用した。THP-1はPMA(phorbol-12-Myristate 13-Acetate)刺激により、単球からマクロファージ様へ分化する。分化したTHP-1細胞に対して酸化LDLを添加した後、Oil red0染色液により細胞内に取り込まれた酸化LDLを染色した。Oil red0染色液はアゾ色素の一種であり、無極性・脂溶性のため細胞内の脂溶性物質に溶け込む性質を利用している。これまでの文献では、染色画像の比較を用いた検討が主であり、定量的な評価があまり行われていなかった。そこで、細胞内に取り込まれたOil red0染色液を抽出し、抽出液の定量に取り組んだ。しかし、細胞や細胞培養容器に対する非特異的な吸着のためバックグランドが高く、染色画像に比べ、検出感度が低いことが明らかとなった。そのため、画像解析により全細胞あたりの染色細胞数の割合や染色強度を指標とした定量法の開発に取り組んでいる。
また、スタチンによりマクロファージのスカベンジャー受容体であるCD36の発現が低下することが報告されている。この作用機序を明らかにするため、フローサイトメトリーを用いたCD36の定量に取り組んだ。そして、分化したTHP-1細胞上のCD36に特異的なシグナルを得ることができた。本研究において評価系の構築が重要であり、平成22年度はそのために必要な基礎的な検討結果を得ることができた。

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公開日: 2012-07-19  

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