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2011 年度 実績報告書

肝障害リスクを低減した動脈硬化予防薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22790159
研究機関九州大学

研究代表者

窪田 敏夫  九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (50533006)

キーワードマクロファージ / 泡沫化 / スタチン / RhoA/ROCK / ゲラニルゲラニルピロリン酸 / 動脈硬化
研究概要

HMG-CoA還元酵素阻害薬であるスタチンは、脂質異常症の治療に広く用いられているが、多面的効果として抗液化作用や抗炎症作用、抗動脈硬化作用等を有することふ報告されている。スタチンがマクロファージの泡沫化を抑制することも知られているが、その作用機序には不明な点が多く残されている。そこ本研究では、スタチンによるマクロファージの泡沫化抑制効果について、マクロファージによる酸化低比重リポ蛋白(酸化LDL)取り込みに着目し、検討を行った。
申請者は平成22年度にマクロファージへの酸化LDL取り込み評価系の構築を行い、本年度はこの評価系を用いて、スタチンの作用機序の解明に取り組んだ。ヒト由来急性単球性白血病細胞THP-1を使用し、ホルボールエステル(PMA)刺激によりマクロファージに分化させた。分化させたTHP-1細胞に酸化LDLを処置した後48間培養し、細胞内に取り込まれた酸化LDLをOil-red O染色液にて染色すかとと共に細胞抽出液を吸光光度計にて測定し、酸化LDLの細胞内取り込み量を評価した。アトルバスタチン(ATR)および各種試薬は、酸化LDL処置の30分前より添加した。
マクロファージに分化させたTHP-1細胞に酸化LDLを処置すると、酸化LDLは細胞内へと顕著に取り込まれた。一方、ATR(3-30μM)を処置した細胞では、酸化LDLの細胞内取り込み量はコントロール群に比べて有意に低下した。ATRによる酸化LDL取り込み抑制効果は、メバロン酸およびゲラニルダラニルピロリン酸(GGPP)の併用により消去された。加えて、RhoA阻害剤のC3毒素ならびにRhoキナーゼ(ROCK)阻害剤のY-27632はいずれも、酸化LDLの細胞内取り込み量を無処置群と同程度まで減少させた。以上の結果かち、マクロファージの酸化LDL取り込みに対してスタチンけ抑制効果を示し、その作用機序には、主作用であるHMG-CoA還元酵素阻害に基づくGGPP量の低下や、RhoA/ROCKシグナル経路が関与する可能性が示唆された。肝障害と異なり、ROCKがスタチンによるマクロファージの泡沫化抑制に関与することを示唆したことは、肝障害リスクを低減した動脈硬化予防薬の開発につながる重要溢発見であると考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ヒト単球由来マクロファージの酸化LDL取り込みに対するスタチンの効果2012

    • 著者名/発表者名
      塚本裕貴
    • 学会等名
      日本薬学会第132年会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      2012-03-31

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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