本研究では、メトトレキサート(MTX)による治療を開始する関節リウマチ(RA)患者を対象に、MTXの薬効に関連することが考えられる遺伝子多型を解析する。また、初回投与3週間後に血漿中および赤血球中のMTXおよびMTX-PG濃度と血漿中および血液細胞中の葉酸類濃度を定期的に測定する。これらのデータと患者の治療経過を総合的に評価する。 平成22年度は、MTXを使用しているRA患者200名を登録し、1~2か月毎の外来通院時に、血液試料の提供受けている。これまでに1500検体を収集した。 遺伝子解析として、これまでの申請者らの研究でMTXの薬効との関連が示唆されるreduced folate carrier (RFC)とgamma-glutamyl hydrolase (GHH)をコードする遺伝子及びMTXのターゲット分子であるdihydrofolate reductase (DHFR)とthymidylate synthase (TS)などをコードする遺伝子の多型を解析した。 現在、血中のMTXおよびMTX-PG濃度を、測定しており、平成23年度には、これらの血中薬物濃度や疾患活動性の経時変化と遺伝子多型の関係を解析することで、安全で効果的にMTXを導入するためのエビデンスを構築する。
|