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2011 年度 実績報告書

生理活性ペプチドキスペプチンのバイオマーカーとしての開発

研究課題

研究課題/領域番号 22790172
研究機関東京薬科大学

研究代表者

片桐 文彦  東京薬科大学, 薬学部, 助教 (60420642)

キーワードキスペプチン / がん / 性腺機能低下症 / 妊娠高血圧症候群 / バイオマーカー
研究概要

キスペプチンは視床下部から分泌され、性成熟との関連が示唆されているペプチドである。末梢ではがんの進行や妊娠との関連が報告されているが、生理作用は依然不明な点が多い。報告者は血漿中キスペプチン濃度のバイオマーカーとしての開発を目的に、がん、性成熟障害、排卵機能障害の3領域における研究を進行中である。研究協力者から送付された血漿検体中のキスペプチン濃度を申請者が開発した酵素免疫測定法にて測定し、データを蓄積、解析を行った。研究協力施設を受診した性腺機能低下症患者(20代男性)の血漿中キスペプチン濃度を測定したところ、健常人に比べ低下していることが判明した。各種ホルモン負荷試験および治療前後での血漿中キスペプチン濃度を測定したが、有意な反応は認められなかった。このことより視床下部性の性腺機能低下症と診断することができ、性腺機能低下症の診断において、一定の基準となりうることを明らかとした。それらの成果は第10回欧州臨床薬理学会(10th Congress of the European Association for Clinical Phamacology)にて発表した。また、集積された症例のデータをまとめ、キスペプチンをバイオマーカーとして利用可能な疾患を検討したところ、がんに関しては、血漿中キスペプチン濃度と病態との関連はがん種によって異なることが推察され、さらなる症例の集積が必要であることが分かった。性腺機能低下症患者などの中枢性疾患に関しては性差、年齢などを考慮した、さらなる症例の集積が必要であるが、治療や負荷試験による血漿中キスペプチン濃度の反応が希薄であり、極めて難しいことが示唆された。妊娠に関連する疾患については、妊娠初期からの継続的な測定が必要と思われるが、評価可能な疾患として大いに期待される。それらの結果を第32回日本医療薬学会にて発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例の集積はおおむね順調に進行し、血漿中キスペプチン濃度の測定は問題なく行えている。

今後の研究の推進方策

症例の集積、血漿中キスペプチン濃度の測定を継続して行う。
培養細胞を用いてキスペプチンの発現量や分泌量を測定し、疾患関連因子を検索する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 血中キスペプチン濃度をバイオマーカーとして評価可能な疾患の探索2011

    • 著者名/発表者名
      片桐文彦、野水基義
    • 学会等名
      第32回日本臨床薬理学会年会
    • 発表場所
      浜松
    • 年月日
      2011-12-01
  • [学会発表] The worthiness of measurement of corculating kisspeptin levels in hypogonadism patients2011

    • 著者名/発表者名
      Fumihiko Katagiri
    • 学会等名
      10th Congress of the European Association for Clinical Pharmacology
    • 発表場所
      Budapest (Hungary)
    • 年月日
      2011-06-27
  • [図書] Peptide Science 20102011

    • 著者名/発表者名
      Fumihiko Katagiri
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      The Japanese Peptide Society

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公開日: 2013-06-26  

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