本件課題の目的は肺がん化学療法感受性に関わるmiRNAを見いだし、利用することで適切な化学療法を可能にすることである。以前の検討(科研費若手B研究課題番号20790147:H20-H21年度)で、シスプラチン感受性に関わるmiRNAを見いだした。H22年度は、分子標的治療薬であるゲフィチニブに対する耐性株を樹立し、シスプラチンと同様の高効率なmiRNAスクリーニング手法を用いて、ゲフィチニブ耐性株におけるmiRNAの発現をマイクロアレイで解析した。 今後は、感受性の指標となり得ると思われるmiRNAについて、バリデーションを行い、データベースの探索によるターゲットの推定を行う。さらに、多剤耐性(MDR)細胞株も用いて同様のプロセスを行うことで、多剤耐性に関わるmiRNAも見いだす。 それらの発現パターンをデータベース化することで、肺癌の化学療法のバイオマーカーとして利用しうるものが出来れば、癌化学療法の効率化に寄与することが期待される。
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