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2010 年度 実績報告書

慢性閉塞性肺疾患の血液脳関門病態-吸入抗コリン薬の中枢性副作用対策の構築-

研究課題

研究課題/領域番号 22790177
研究機関福岡大学

研究代表者

冨永 宏治  福岡大学, 薬学部, 准教授 (10509623)

キーワードCOPD / 血液脳関門 / ペリサイト / 炎症
研究概要

慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: COPD)は有毒粒子・ガス(タバコ、大気汚染など)の吸入によって生じた肺の炎症反応に基づく進行性の疾患である。吸入抗コリン薬はCOPDの第一選択薬として繁用されているが、薬剤性認知機能障害を惹き起こす原因薬剤であり、特にBBBの透過性が亢進する高齢者が継続使用すれば認知機能の低下がさらに増悪するとの報告がある(BMJ.2006)。しかし、吸入抗コリン薬服用COPD患者の認知機能障害が発現・進展する過程においてBBB脆弱化や抗コリン薬の脳移行性変化がどのように関与するかについては不明である。本研究は認知機能障害発現・進展の予防、予測・回避策の基盤となる情報を提示しようとするものである。本年度は「COPDの循環血中の炎症性刺激因子が脳ペリサイト病変化を誘発し、BBB機能を脆弱化するか」について検討を行った。LPSを気管内投与しで肺炎症モデルを作成し、Sodium fluorescein(NaF)を頸静脈より投与した後、PBS(-)を潅流・脱血して全脳を採取した。全脳をホモジナイズして上清中のNaF量を測定した。また、肺胞洗浄液を採取し、洗浄液中の細胞数、好中球およびリンパ球数を測定した。その結果、NaF量、細胞数、好中球はLPSの濃度依存的に増加し、肺炎症性疾患によりBBB機能が傷害されることが確認された。また、ラット初代培養ペリサイトを用いて脳ペリサイト産生IL-6およびMMP-9について検討を行った。その結果、TNF-a刺激によってIL-6およびMMP-9は時間および濃度依存的に増加した。さらにその放出機構としてJAK-STAT3経路を解することが示唆された。来年度は炎症性因子の変動、抗コリン薬によるBBB機能の変化について検討する。

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公開日: 2012-07-19  

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