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2010 年度 実績報告書

海馬歯状回形成における形態形成因子の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790186
研究機関福井大学

研究代表者

駒田 致和  福井大学, 医学部, 特命助教 (90523994)

キーワード解剖学 / 発生・分化 / 脳・神経 / 細胞・組織 / シグナル伝達
研究概要

本研究課題では、高次脳機能の中枢である大脳皮質と、同様に層構造を形成し記憶・学習に重要な海馬歯状回の形成メカニズムを明らかにすることを目的としている。これらの領域の形態形成には、神経幹細胞や中間前駆細胞の増殖や神経新生が適切に制御されることが重要である。形態形成因子のなかでも中枢神経系や四肢、肺の発生に重要であるヘッジホッグシグナルに着目しその機能の解析を行った。発生の時期特異的に終脳背側においてヘッジホッグシグナルを阻害する時期・領域特異的遺伝子改変マウスを作製した。このマウスに対し複数のチミジン類似物質を使い、段階的に神経幹・前駆細胞をラベルすることにより、ヘッジホッグシグナルは大脳皮質を構成する神経細胞を産生する中間前駆細胞の産生や分化を制御している可能性を見出した。終脳背側における神経新生は、神経幹細胞から前駆細胞、そして神経細胞へと変遷していくことが知られており、その時機や数は細胞周期によって制御していることも分かっている。ヘッジホッグシグナルは細胞周期を調節することによって、神経新生を調節している可能性が示された。これらの結果から、本研究で用いている遺伝子改変マウスは精神疾患、あるいは発達障害モデル動物として、これらの疾患の病態や発症メカニズムの解明にも用いることができると考えられる。中間前駆細胞は高等動物で発達するII、III層を構成する神経細胞の産生に深くかかわっていることが示唆されていることから、中間前駆細胞の産生・維持のメカニズムの一端を明らかにすることによって、ヒトの高次脳機能の形成、さらには発達障害や精神疾患の発症メカニズムの解明にも寄与出来ると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Methylnitrosourea induces neural progenitor cell apoptosis and microcephaly in mouse embryos2010

    • 著者名/発表者名
      Komada M., Fujiyama F., Yamada S., Shiota K., Nagao T.
    • 雑誌名

      Birth Defects Res.B Dev.Reprod.Toxicol

      巻: 89 ページ: 213-222

    • 査読あり
  • [学会発表] 大脳皮質形成期の法線方向移動における神経細胞の多極性から双極性への形態変化に成長円錐が重要である2011

    • 著者名/発表者名
      謝敏カク, 黒田一樹, 八木秀司, 駒田致和, 猪口徳一, 佐藤真
    • 学会等名
      第116回日本解剖学会・全国学術集会第88回日本生理学会大会
    • 発表場所
      (誌上開催)
    • 年月日
      2011-03-30
  • [学会発表] FILIPの新たな側面:FILIP欠損による梨状葉神経細胞棘突起の形態変化2011

    • 著者名/発表者名
      八木秀司, 謝敏カク, 池田弘, 駒田致和, 猪口徳一, 黒田一樹, 岡部勝, 佐藤真
    • 学会等名
      第116回日本解剖学会・全国学術集会第88回日本生理学会大会
    • 発表場所
      (誌上開催)
    • 年月日
      2011-03-30
  • [学会発表] ニトロソ尿素の胎児期曝露によって誘発されるマウス小頭症の発症機序2010

    • 著者名/発表者名
      駒田致和、藤山総子、山田重人、塩田浩平、長尾哲二
    • 学会等名
      第70回中部支部学術集会
    • 発表場所
      ぱるるプラザ(岐阜市)
    • 年月日
      2010-10-17
  • [学会発表] 低用量ビスフェノールAのマウス胎児期曝露により誘発される大脳皮質発生異常2010

    • 著者名/発表者名
      駒田致和、浅井泰子、守井見奈、長尾哲二
    • 学会等名
      第50回日本先天異常学会学術集会
    • 発表場所
      淡路島夢舞台(兵庫県)
    • 年月日
      2010-07-08
  • [学会発表] Methylnitrosourea Exposure Induces Apoptosis in the Dorsal Telencephalon and Microcephaly in Mouse Embryos2010

    • 著者名/発表者名
      Komada M., Fujiyama F., Yamada S., Shiota K., Nagao T.
    • 学会等名
      The Teratology Society 50^<th> Annual Meeting
    • 発表場所
      Marriott Louisville Downtown (アメリカ)
    • 年月日
      2010-06-27

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公開日: 2012-07-19  

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