• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

下垂体前葉内濾胞星状細胞間のギャップ結合を介したネットワーク機構を実証する

研究課題

研究課題/領域番号 22790190
研究機関自治医科大学

研究代表者

堀口 幸太郎  自治医科大学, 医学部, 助教 (10409477)

キーワード下垂体前葉 / 濾胞星状細胞 / 細胞外マトリックス / ギャップ結合 / living観察 / マトリクライン
研究概要

1.濾胞星状細胞(FS細胞)分裂を引き起こすシグナル伝達の解析
ラミニンなどの細胞外マトリックス(ECM)コート上で下垂体前葉細胞初代培養を行うと、非コート上に比べFS細胞が細胞分裂を引き起こすことを既に報告している。本研究では、ラミニン存在下で、そのレセプターであるインテグリンβ1を介して、カベオリン3の発現を増加させ、それに伴い、MAPK経路が活性化され、サイクリンD1遺伝子発現量も増加し分裂が誘起されるシグナル伝達を明らかにした。
2.FS細胞におけるマトリックスメタロプロテアーゼ9(MMP9)の発現解析
一般に、細胞はECMを認識後、マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)により、ECMを消化して、移動することができる。FS細胞は、ラミニンを消化する酵素であるMMP9を発現し、その発現量はラミニンによって増加し、MMP9のsiRNA及び、インヒビター添加により、ラミニンによるFS細胞の移動、FS細胞同士の接着が阻害された。以上から、ECMによるFS細胞移動メカニズムを明らかにした。
3.FS細胞ネットワーク形成誘導因子の解析
FS細胞間では、ギャップ結合を介したネットワークを形成し、情報伝達系を有する。このネットワークは、初代培養によって、再構築することを我々は既に明らかにしている。そして、ネットワークを再構築する過程で、FS細胞が突起状の細胞質を伸長させ、正確に周囲FS細胞と結合する。この現象は、近隣のFS細胞に対する何らかの誘導因子の存在を強く示唆するものであった。本研究では、FS細胞にCXCモチーフの一つであるCXCL12とそのレセプターCXCR4の高い発現を明らかにした。さらに、マトリゲルインベージョンチャンバーを用いてCXCL12に対する走化性、浸潤性アッセイ行なったところ、FS細胞だけが走化性及び浸潤性を示した。以上から、FS細胞は、CXCL12を発現し、パラクライン的に周囲FS細胞に作用させることで、FS細胞ネットワークを形成する、その制御機構を明らかにした。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Matrix metalloproteinase-9 expression in folliculostellate cells of rat anterior pituitary gland2012

    • 著者名/発表者名
      Ilmiawati C, Horiguchi K, Fujiwara K, Yashiro T
    • 雑誌名

      Journal of Endocrinology

      巻: Vol.212 ページ: 363-370

    • DOI

      DOI:10.1530/JOE-11-0433

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Expression of chemokine CXCL12 and its receptor CXCR4 m folliculostellate (FS) cells of the rat anterior pituitary gland : the CXCL12/CXCR4 axis induces interconnection of FS cells2012

    • 著者名/発表者名
      Horiguchi K, et al
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 153 ページ: 1717-1724

    • DOI

      DOI:10.1210/en.2011-1937

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Caveolin 3-mediated integrin β1 signaling is required for the proliferation of folliculo-stellate cells in rat anterior pituitary gland under the influence of extracellular matrix2011

    • 著者名/発表者名
      Horiguchi K, et al
    • 雑誌名

      Journal of Endocrinology

      巻: 211 ページ: 29-36

    • DOI

      DOI:10.1530/JOE-11-0103

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞外マトリックスによる濾胞星状細胞の機能調節、さらに濾胞星状細胞による下垂体前葉の機能維持2012

    • 著者名/発表者名
      堀口幸太郎、屋代隆
    • 学会等名
      シンポジウム「下垂体の機能調節に関わる新規分子の解明」第89回日本生理学会大会
    • 発表場所
      長野県松本市
    • 年月日
      2012-03-30
  • [学会発表] 下垂体前葉における細胞外マトリックスの存在意義2012

    • 著者名/発表者名
      堀口幸太郎、屋代隆
    • 学会等名
      シンポジウム「細胞外シグナルと下垂体細胞の発達、機能発現への形態学的アプローチ」第117回日本解剖学会学術総会
    • 発表場所
      山梨県甲府市
    • 年月日
      2012-03-26
  • [学会発表] Folliculo-stellate cell network formation and chemokine CXCL12 in anterior pituitary gland2011

    • 著者名/発表者名
      Horiguchi K
    • 学会等名
      シンポジウム「佐野メモリアルシンポジウム」第15回日本内分泌病理学会学術総会
    • 発表場所
      東京都都道府県会館
    • 年月日
      2011-11-23
  • [学会発表] 下垂体前葉内濾胞星状細胞におけるケモカインCXCL12の発現とその機能2011

    • 著者名/発表者名
      堀口幸太郎, Cimi Ilmiawati, 屋代隆
    • 学会等名
      第26回日本下垂体研究会学術集会
    • 発表場所
      岡山県岡山市
    • 年月日
      2011-08-25
  • [学会発表] Effect of extra-cellular matrix on anterior pituitary cell function -I-2011

    • 著者名/発表者名
      Horiguchi K
    • 学会等名
      International Symposium on A New regulatory system of Anterior pituitary cell function and its clinical impact
    • 発表場所
      Faculty of Medicine Andalas University in Indonesia, Padang
    • 年月日
      2011-06-14
  • [学会発表] マトリクラインによる下垂体前葉内濾胞星状細胞の機能制御2011

    • 著者名/発表者名
      堀口幸太郎、屋代隆
    • 学会等名
      シンポジウム「下垂体研究の新しい多面性」第84回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      兵庫県神戸市
    • 年月日
      2011-04-21
  • [備考]

    • URL

      http://www.jichi.ac.jp/histology/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi