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2010 年度 実績報告書

哺乳類雄の減数分裂におけるXY body形成の分子基盤と機能的意義

研究課題

研究課題/領域番号 22790192
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

向後 寛  藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (20282387)

キーワード減数分裂 / 不妊 / 無精子 / ノックアウトマウス / ヘテロクロマチン / 性染色体 / 転写抑制 / リン酸化
研究概要

本研究の長期的目標は、ヒトの不妊症、不育症の原因遺伝子の探索であり、短期的目標として、哺乳類雄の減数分裂時に特異的に観察されるXY body(性染色体とそれを取り囲むヘテロクロマチン構造)の機能的意義やその形成機構を明らかにすることを目指している。本年度は、パキテン期精母細胞の性染色体上に特異的に局在する機能未知分子HORMAD2の機能を明らかにするため、Hormad2遺伝子ノックアウトマウスを作製しその表現型を解析した。HORMAD2欠損マウスは雄のみが不妊で、雌の妊性は正常であった。精巣重量は野生型の約1/3に減少し、組織学的解析の結果、精母細胞が細胞死を起こし無精子となっていた。細胞死の原因を探るためHORMAD2欠損精母細胞の染色体を観察したところ、相同染色体のペア形成や対合はほぼ正常であった。しかしXY bodyを観察すると、野生型では性染色体全体がXY body(ヘテロクロマチン構造)のマーカー分子であるATRやγH2AXに完全に取り囲まれて存在するのに対し、HORMAD2欠損細胞では、性染色体の一部のみがこれらのマーカー分子と重なった状態で、性染色体の大部分はヘテロクロマチン構造の外に存在していた。この結果は性染色体とヘテロクロマチン構造が解離しうることや、それが細胞死の原因となること、両者が一体となるためにHORMAD2が必要であることを示しており非常に興味深い。一方本年度予定していたHORMAD2のリン酸化部位の同定は、HORMAD2の可溶化が困難なため難航しているが、次年度は別のアプローチによってリン酸化部位を同定し、そのリン酸化に依存して結合する分子を同定することなどにより、HORMAD2がXY body形成にどのように関与するのか、その分子機構を明らかにしたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of a novel mouse gene encoding an SYCP3-like protein that re-localizes from the XY body to the nucleolus during prophase of male meiosis I.2011

    • 著者名/発表者名
      Tsutsumi, M., et al.
    • 雑誌名

      Biology of Reproduction

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Polymorphisms of the 22q11.2 breakpoint region influence the frequency of de novo constitutional t(11;22)s in sperm.2010

    • 著者名/発表者名
      Tong, M., et al.
    • 雑誌名

      Human Molecular Genetics

      巻: 19 ページ: 2630-2637

    • 査読あり
  • [学会発表] 哺乳類雄の減数分裂におけるHDRMAD2の機能2011

    • 著者名/発表者名
      向後寛
    • 学会等名
      第116回日本解剖学会全国学術集会
    • 発表場所
      横浜(誌上開催)
    • 年月日
      2011-03-29
  • [学会発表] 哺乳類雄の減数分裂におけるHORMAD2の機能2010

    • 著者名/発表者名
      向後寛、堤真紀子、稲垣秀人、大江瑞恵、倉橋浩樹
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-12-09
  • [備考]

    • URL

      http://info.fujita-hu.ac.jp/~genome/mg/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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