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2011 年度 実績報告書

リンパ節ストローマ細胞産生因子群による免疫組織基盤の形成機構

研究課題

研究課題/領域番号 22790194
研究機関関西医科大学

研究代表者

片貝 智哉  関西医科大学, 医学部, 講師 (00324682)

キーワード獲得免疫応答 / 樹状細胞 / ストローマ細胞 / 二次リンパ組織 / リンパ球
研究概要

獲得免疫応答誘導のための中心的な「場」であるリンパ節では、緻密なネットワーク構造を形成する間葉系ストローマ細胞が免疫細胞活動を支えている。しかし、その基本的性状や分子基盤に関しては良く解っていない。本研究では,マウスのリンパ節ストローマ細胞に発現することが示唆された因子について詳細な機能解析を行い、それらがリンパ球などの免疫細胞機能、特にリンパ組節内の移動に影響を及ぼし、免疫応答制御に関与する可能性の検証を目的とした。
この中で、リゾフォスファチジン酸(LPA)合成酵素であるAutotaxinがリンパ節のストローマ細胞に転写レベルで高発現されていることを見出し、抗体を用いてタンパク質発現を確認した。LPAおよびAutotaxinは様々な細胞の遊走活性を上昇させることが知られているため、リンパ節間質におけるリンパ球遊走への関与が疑われた。そこで、リンパ節スライス培養と二光子励起レーザー顕微鏡を用いたライブイメージングにより検証し、Autotaxinの酵素活性やLPA受容体シグナルを阻害する薬剤を加えた結果、T細胞の間質遊走を有意に阻害することが明らかになった。一方、LPAは試験管内におけるT細胞のランダムな遊走活性を上昇させ,しかもケモカインによる遊走活性を増加させることも明らかになった。
以上のことから,ストローマ細胞が産生するLPAがリンパ節内におけるリンパ球の動態を制御し、免疫応答の調節に関与していることが示唆された。ストローマ細胞がこのようないくつかの分子メカニズムによりリンパ球と相互作用を行なっていると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] DOCK8 is a Cdc42 activator critical for interstitial dendritic cell migration during immune responses2012

    • 著者名/発表者名
      Harada Y, et al
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 119 ページ: 4451-4461

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リンパ節ストローマ細胞の機能と組織構築2012

    • 著者名/発表者名
      片貝智哉
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 84 ページ: 183-188

  • [学会発表] リンパ節の組織構築とストローマ細胞の機能2012

    • 著者名/発表者名
      片貝智哉
    • 学会等名
      第11回樹状細胞・免疫セミナー
    • 発表場所
      獨協医科大学(栃木県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-09
  • [学会発表] High-speed interstitial T cell migration within lymph node parenchyma involves LFA-1-dependent and -independent motility modes2011

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Katakai
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会・学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      2011-11-29
  • [学会発表] High-speed interstitial T cell migration in lymph node involves LEA-1-dependent and -independent mechanisms controlled by stromal cell network2011

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Katakai
    • 学会等名
      Seminar series 2011
    • 発表場所
      理研RCAI(神奈川県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-29
  • [備考]

    • URL

      http://www3.kmu.ac.jp/molgent/index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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