研究概要 |
心肥大は心不全の本態であり、その形成機序を解明することは重要である。これまでに私は、細胞レベルの肥大形成にとって重要なCa^2+流入に関するTRPC1とSTIM1という2つの分子の重要性について報告してきた。今回STIM1の蛋白量が少ないノックアウトマウス(STIM1+/.)を対象に大動脈縮窄手術により心肥大モデルを作製した。野生型では心肥大が形成されたのに対し,STIM1+/.では心肥大を認めなかった。またSTIM1+/.では有意に線維化も抑制されていた。以上からSTIM1+/.には圧負荷に対する心筋リモデリングがおきにくい性質があると考えられ、STIM1を標的とした心肥大治療の可能性を見出すに至った。
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