研究課題
小児てんかんは、100から150人に1人の割合で起こり、その一因としてイオンチャネルの遺伝子異常が挙げられている。本研究では、候補として見出したTRPP3の機能解明および、小児てんかん患者から見出されたTRPP3内の変異体の機能異常を探った。本年度は、小児てんかん患者から見出された変異体の作製および、野生型TRPP3の機能解析を中心に発現系を用いた実験系で機能解析を行った。・TRPP3は、脱分極パルスで活性化される電位依存性チャネルであることをHEK293T細胞にTRPP3を強制発現した細胞を用いて確認していた。そこで、さらに電位依存的不活性化など電位パルスの時間や強さを検討していくことで電位依存性とチャネル活性の関係を検討した。さらに興味深いことにTRPP3は典型的な電位センサーを持つ電位依存性K^+チャネルや電位依存性Ca^<2+>チャネルの第4膜貫通領域(S4)のアミノ酸配列に相同性があり、典型的な電位センサーに見られるように規則正しく正電荷アミノ酸が配置されていることを確認している。そこで、電位依存性についてTRPP3の電位センサーと推測されるS4内の正電荷のアミノ酸を電荷を持たないアミノ酸に置換し、TRPP3の電位依存性について検討を行った。・TRPP3は、細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させるとチャネル活性が上昇することを見出した。そこで、細胞内Ca^<2+>濃度を変化させた際のチャネル活性の変化を評価した。さらにその細胞内Ca^<2+>濃度感受性部位として、EF-hand motifを欠損させた変異体を用いて細胞内Ca^<2+>感受性の機能評価を行った。・TRPP3は、細胞外液を酸性および塩基性pHに変えると活性が変化することを確認した。さらにpH感受性部位について、ポリシスチンモチーフ、ボア領域の電荷を帯びたアミノ酸に変異を入れることで機能解析を行った。
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