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2010 年度 実績報告書

食細胞によるアポトーシス細胞貪食除去の動作原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790210
研究機関京都大学

研究代表者

華山 力成  京都大学, 医学研究科, 助教 (40403191)

キーワードアポトーシス / Dock180 / マクロファージ / ライブイメージング
研究概要

マクロファージなどの食細胞によるアポトーシス細胞の貪食に関与する分子Dock180の動作原理に関する研究を行った。Dock180をNIH3T3細胞に過剰発現させ、アポトーシス細胞と共培養したところ、コントロールに比べアポトーシス細胞の取り込みが1.5倍に促進されることを確認した。一方、Dock180はRac1のGEFであるが、そのGEF活性を失活させた点変異体を導入したところ、貪食促進能は認められなかった。Doock180を過剰発現させた細胞は、野生型の細胞に比べ、培養ディッシュに強固に張り付いていることから、この細胞のアクチン骨格を蛍光色素で染め観察したところ、Dock180を発現している細胞では、葉状仮足が定常状態においても多く形成されていることが示された。更に、ライブイメージングを用いてアポトーシス細胞の取り込みを観察したところ、食細胞はこの葉状仮足が形成されている場所で、ほとんどのアポトーシス細胞を取り込んでいることが示された。次に、Dock180にRFPを結合させたプローブを用いアポトーシス細胞の取り込みを観察したところ、貪食時にDock180がアポトーシス細胞の周囲に強く集積しphagocytic cup構造を形成することを示した。一方で、一旦取り込みが始まると、アポトーシス細胞を完全に飲み込んでしまうまでにかかる時間は、Dock180を過剰発現させても変化がないことが示された。以上の結果から、Dock180は、アポトーシス細胞を取り込む場所である葉状仮足を形成させることによりアポトーシス細胞の貪食を促進するが、一旦取り込みが開始するとその後の貪食過程にはDock180の寄与は少ないことが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Angelman Syndrome protein Ube3A regulates synapse development by ubiquitinating arc.2010

    • 著者名/発表者名
      Greer PL, Hanayama R(equal contribution), et al.
    • 雑誌名

      Cell

      巻: 140(5) ページ: 704-716

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Autoimmunity and the clearance of dead cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Nagata S, Hanayama R, Kawane K
    • 雑誌名

      Cell

      巻: 140(5) ページ: 619-630

    • 査読あり
  • [学会発表] 死細胞の除去とその疾患2010

    • 著者名/発表者名
      華山力成
    • 学会等名
      阿波シンポジウム
    • 発表場所
      徳島大学
    • 年月日
      2010-08-11
  • [備考]

    • URL

      http://www2.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/~nagata/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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