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2011 年度 実績報告書

Cdkal1による2型糖尿病の発症メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790214
研究機関熊本大学

研究代表者

魏 范研  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (90555773)

キーワード糖尿病 / tRNA / インリン
研究概要

Cdka11は2型糖尿病の新規危険因子である。Cdka11遺伝子変異による2型糖尿病発症メカニズムを明らかにするために、当該年度において以下の研究を実施した。
1、環境要因負荷による2型糖尿病の発症誘導-平成22年度においてCdka11欠損マウスは、インスリン分泌が低下し、マイルドな耐糖能異常を示すことが明らかになったので、23年度においてCdka11欠損マウスに総カロリーのうち脂肪由来のカロリーが45%となる高脂肪食を9週に渡り摂取させ、その後糖負荷試験を行い、耐糖能の変化及び膵β細胞機能に関わる遺伝子の発現を検討した。
その結果、高脂肪食を摂取したCdka11欠損マウスの耐糖能及びインスリン分泌は、高脂肪食を摂取した野生型マウスと比べ有意に低下した。また、インスリン負荷試験を行った結果、Cdka11欠損マウスと野生型マウスとの間で有意な差が見られなかった。これらのことから、高脂肪食摂取によてCdka11欠損マウスでは、末梢のインスリン感受性ではなく、高脂肪食を摂取する前よりも膵β細胞機能がさらに低下したことが明らかになった。また、Cdka11欠損マウスの膵β細胞よりRNAを精製し、β細胞機能に関わる遺伝子発現を検討した結果、小胞体ストレスに関わる遺伝子発現がCdka11欠損マウスにおいて有意に上昇した。
2、Gdkal1の生化学的解析-Cdka11はCdk5を介してインスリン分泌を制御している可能性がある。そこで、試験管内にCdka11が存在するあるいはしない条件下において、Cdk5及びその基質であるdynaminを加え,Cdk5のリン酸化酵素活性にCdka11が関与するかどうかを検討した。その結果、Cdka11はCdk5の酵素活性に影響を与えないことが明らかになった。一方、Cdka11がtRNAを修飾する酵素で、リジンの正確な翻訳に重要であることから、Cdka11欠損マウスの膵β細胞におけるインスリンのリジン残基の翻訳を検討した。
その結果、Cdka11欠損マウスの膵β細胞のインスリンでは、リジン残基の異常な翻訳が見られた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Development of type 2 diabetes caused by a deficiency of a tRNA^<lys> modification2012

    • 著者名/発表者名
      魏范研
    • 雑誌名

      Islets

      巻: 4(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Deficit of Lys-tRNA modification by Cdkal1 causes the development of type 2 diabetes in mice2011

    • 著者名/発表者名
      魏范研
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Investigation

      巻: 121 ページ: 3598-3608

    • DOI

      10.1172/JCI58056

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional loss of Cdkal1, a novel tRNA modification enzyme, causes the development of type 2 diabetes2011

    • 著者名/発表者名
      魏范研
    • 雑誌名

      Endocrinology Journal

      巻: 58 ページ: 819-825

    • DOI

      10.1507/endocrj.EJ11-0099

  • [学会発表] 2型糖尿病危険遺伝子Cdkal1の生理機能解析2012

    • 著者名/発表者名
      魏范研、渡部佐耶加、鈴木健夫、貝塚拓、山懸和也、鈴木勉、富澤一仁
    • 学会等名
      第89回日本生理学会
    • 発表場所
      長野県松本市総合体育館
    • 年月日
      2012-03-31

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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