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2010 年度 実績報告書

FGF21による体内時計及び体温調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790237
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

大石 勝隆  独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究グループ長 (50338688)

キーワード行動学 / 生理学 / 遺伝子 / 発現制御
研究概要

申請者はこれまで、核内受容体PPARα(α型ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体)のリガンドであるベザフィブラートの慢性投与や、ケトンダイエット負荷が、マウスの体内時計の位相を前進させることを見出してきた。ケトンダイエット負荷は、フィブラートの投与と同様にPPARαを活性化することが知られている。今年度は、ケトンダイエット負荷による体内時計の位相前進作用にPPARαが関与している可能性を検証する目的で、PPARαのノックアウト(KO)マウスを用いて、ケトンダイエット負荷の体内時計に対する影響について検討を行った。1週間のケトンダイエット負荷は、フィブラートを投与した場合と同様、野生型マウスの肝臓において、PPARαの典型的な転写ターゲット遺伝子であるCyp4A10やFGF21のmRNA発現を顕著に誘導したが、PPARαKOマウスにおいては、これらの発現誘導が顕著に抑制されていた。ケトンダイエット負荷の末梢時計に対する影響を検討するために、心臓と肝臓における時計遺伝子及び被時計制御遺伝子の発現を調べたところ、PPARαKOマウスにおいても野生型マウスと同様に、日周発現の位相前進が認められた。行動リズムを規定している脳内中枢時計に対する影響を検討するために、行動リズムの測定を行ったところ、PPARαKOマウスにおいても野生型マウスと同様に、活動開始時刻の前進が認められた。これらの結果は、ケトンダイエット負荷に伴う中枢時計及び末梢時計の位相前進には、PPARαが必須では無い可能性を示している。AMPKの活性化やカロリー制限が時計の位相前進に関わっているとの報告もあることから、ケトンダイエット負荷やフィブラートの投与による飢餓状態が体内時計の位相前進に関わっているものと考えられるが、その分子機構の解明が期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] PPARα deficiency augments a ketogenic diet-induced circadian PAI-1 expression possibly through PPARγ activation in the liver.2010

    • 著者名/発表者名
      Oishi K, Uchida D, Ohkura N, Horie S
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 401 ページ: 313-318

    • 査読あり
  • [学会発表] 食を介した生体リズムの制御と睡眠の改善を目指して2010

    • 著者名/発表者名
      大石勝隆
    • 学会等名
      第17回日本時間生物学会学術大会
    • 発表場所
      早稲田大学・国際会議場・井深大記念ホール(東京)
    • 年月日
      2010-11-20

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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