緑内障モデル動物である網膜虚血再灌流及びN-メチル-D-アスパラギン酸硝子体内投与モデルラットにおいて、血管内皮細胞を介した網膜血管拡張機能障害が生じている一方で、血管平滑筋を介した機能は障害されていないことを明らかにした。従って、網膜循環不全が緑内障における網膜神経傷害を加速させる可能性がある。また、網膜虚血再灌流モデルラットにおける著しい網膜血管の攣縮に、エンドセリン-1が関与していることも示唆された。プロスタノイドEP2受容体刺激薬は、緑内障モデルの網膜血管を拡張させ、また網膜神経傷害を抑制した。このことから、プロスタノイドEP2受容体刺激薬は緑内障の新規治療薬となりうる。
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