研究概要 |
羊膜由来上皮細胞、間葉系細胞の幹細胞マーカーを同定することを目的に、各種細胞表面マーカーを用いてフローサイトメトリー解析を行った。羊膜由来上皮細胞(HAE)に関しては、TRA1-60、TRA1-81が有効なマーカーとなりえることを見出した。これに基づき、TRA1-60の発現する細胞をHAEの中から単離することを試みている。 羊膜由来間葉系細胞(HAM)に関しては、細胞の大きさにより細胞の性質が異なる可能性があることが考えられたため、フローサイトメトリーにより大きさに従って細胞を分画し、それらの細胞の性質を検討している。 不死化羊膜上皮細胞(iHAE)に対してOct4遺伝子を電気穿孔法にて導入して強制発現させ、各種遺伝子の発現を定量的PCRにて検討し、Rex-1,Sox2,Nanogの遺伝子の発現が上昇すること、また免疫蛍光染色にて検討し、SSEA3,SSEA4,TRA1-60陽性細胞の比率が上昇することを踏まえ、Oct4のみならず、Sox2遺伝子も電気穿孔法にて導入し強制発現させてその効果を検討している。 以上を継続し、表面抗原の発現あるいは大きさにしたがって分画した細胞のStem cellとしての性質を明らかにする。また、Oct4,Sox2遺伝子の強制発現の組み合わせ、低分子化合物処理との組み合わせによるStemnessに与える効果をさらに検討していく。
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