研究課題
本研究課題においては、リプログラミング過程における細胞増殖の重要性に焦点を当てている。細胞のリプログラミングは常に増殖を伴うため、これまでにリプログラミングのどの部分に細胞増殖が重要であるのかは明らかにされていない。本年度は、リプログラミング因子(OCT3/4, SOX2, KLF4, c-MYC)を線維芽細胞に発現させた状態で強制的に細胞増殖を停止させることにより、変動する遺伝子を解析した。その結果、マウス、ヒトともに細胞増殖停止後もリプログラミングが進行することがわかった。また細胞増殖依存的に変動する遺伝子、非依存的に変動する遺伝子群を明らかにした。今後はこれらの知見をもとに細胞のリプログラミングにおける増殖の役割を明らかにしていく予定である。さらに細胞増殖非依存的にリプログラミングを促進する遺伝子の同定にも成功している。この因子をリプログラミング因子とともに発現させた場合、細胞増殖停止状態においてもリプログラミングの指標である表面抗原を発現する細胞の割合が増加した。今後はこの因子の働きを明らかにすることにより、細胞増殖停止状態における細胞の性質変化のメカニズムに様利たいと考えている。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
J Dent Res
巻: 89 ページ: 773-778
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/index.html