研究概要 |
骨髄由来細胞の血管を介した脳内侵入がアルツハイマー病(AD)病態脳において近年報告された。本研究は当該細胞と脳血管内皮細胞との細胞間相互作用における細胞浸潤分子メカニズムを明らかにする。すなわち、細胞表面セレクチンおよびその糖鎖リガンドの分子間相互作用の役割を明らかにする事を目的とする。マウス骨髄ミクログリア由来細胞株の細胞表面においてシアリルルイスXセレクチンリガンド糖鎖の発現を確認した。野生型およびADモデルマウス脳血管内皮細胞においてセレクチンの発現を解析した。マウス脳内血管で発現がみられるセレクチンの定量を脳血管画分サンプルおよび各種セレクチン特異的モノクローナル抗体を用いたウェスタンブロッティングにより解析した結果、ADモデル脳血管である種のセレクチンの発現が上昇している事が明らかにされた。また、生体内ビデオ蛍光顕微鏡により、マウス脳血管内における末梢投与蛍光標識骨髄ミクログリア細胞株のローリングおよび接着能の解析および定量するアッセイ系を確立した。ADモデルマウス脳血管内における骨髄細胞のローリングおよび接着の変化を確認した。フコース転移酵素IV,VIIは細胞表面シアリルルイスXの合成に関わる酵素である。これらフコース転移酵素IV,VIIの遺伝子ノックアウトマウスを既に得ている。これらマウスを骨髄細胞ドナーとして使用し、ローリングおよび接着能を同様に観察する。
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