研究課題
血栓症発症の分子機序を解明するため、本研究では、以下の点に注目している。vWF変異体の作成:本研で用いるvWF変異体はすべて遺伝子組換えにより作成する。ジスフィルド架橋の導入によりタンパク質の立体構造に変化を与えた変異体や、点変異により粘着性が低下した変異体を発現するような複数のコンストラクトを完成した。これらのコンストラクトは、培養細胞において変異タンパク質を発現するかを確認する。精製タンパク質アッセイ:In vitroで精製した先述のvWF変異体の機能解析を行う。ここでは、フローチャンバーシステムを用いて、変異体の血小板粘着能にや酵素による切断能などを評価する。なお、構造変化を与えたvWF変異体は、Dr. John Weisel (University of Pennsylvania, USA)の研究室にて、ずり応力に対する耐性を光ピンセットを用いて解析する。内因性von Willebrand factorの標識:京都大学浜地格教授の研究室と共同研究により、vWFを特異的に標識するプローブ分子を開発する。リガンド指向性トシル(LDT)分子を用いることで、vWFを生体で蛍光標識することが可能になると期待される。本研究では、培養細胞や動物生体内で内因性vWFがLTD分子により標識できるか否かを検討する。CASA/RkJゲノムライブラリーの作成:他の系統マウスに比べて20倍多くvWFを発現しているCASA/RkJマウスのゲノムライブラリーを作成した。現在、複数のvWF変異タンパク質の精製と、これを用いた解析を進めている。
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Journal of Thombosis and Haemostasis
巻: 8 ページ: 2294-304
http://www.cp.kyoto-u.ac.jp/Prevost/IndexJ.htm