GM2ガングリオシドーシスはリソソーム酵素であるβ-ヘキソサミニダーゼ(Hex)の欠損に基づき、糖脂質であるGM2ガングリオシド(GM2)が過剰に蓄積して発症する常染色体劣性遺伝病であり、中枢神経症状を伴う代表的なリソソーム病である。 本研究では、神経変性に伴った脳内への造血系細胞の浸潤に、ケモカインリガンド・レセプターシステムが深く関与していると仮説を立て、モデルマウス脳内ミクログリア及び骨髄・末梢血中の血液細胞におけるそれらの発現をin vivo及びin vitroで正常との比較解析を行うことで、リソソーム病における神経炎症の理解を深め、細胞移植治療への応用を目指すことを目的としている。 平成22年度は、SDマウスにおける脳内ミクログリアの活性化及び運動性に関与するシグナル伝達分子の特定を解析し、Hexの欠損に伴ってPKCが抑制され、運動性や形態変化に深く関与していることが明らかになった。さらに、SDマウス由来末梢単球系細胞がケモカインMIP-1αに応答し、遊走することを明らかにした。今後は、生体内基質蓄積と運動性及び活性化に関与するシグナル伝達を特定する予定である。
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