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2011 年度 実績報告書

細胞極性蛋白質複合体による白血球の遊走方向決定機構

研究課題

研究課題/領域番号 22790321
研究機関九州大学

研究代表者

鎌倉 幸子  九州大学, 医学研究院, 助教 (80398081)

キーワード好中球 / ケモタキシス / 遊走方向
研究概要

好中球は、私たちの体を循環する白血球のおよそ60%を占める細胞であり、その機能は、体内に侵入した細菌や真菌などの微生物を、貪食して殺菌することである。その機能を発揮するためには、ケモタキシス(chemotakis:走化性)により微生物の侵入部位へ素早く到達することが必要不可欠であり、この過程は生体防御ひいては人間の生存にとって不可欠な現象である。ケモタキシスを誘導する走化性因子の受容体は、すべて7回膜貫通型で、その全てが3量体G蛋白質のGiと特異的に共役する。細胞が正しくケモタキシスするためには「方向の決定」と「運動性の亢進」が必要であるが、「遊走方向」を制御するメカニズムについては、ほとんど分かっていない。本研究の目的は、Giの役割に着目し、好中球の遊走方向を決定するための分子機構を解明することである。これまでの解析により、走化性因子依存的に遊離したGiの下流で機能する蛋白質キナーゼを見出した。このキナーゼは、ケモタキシスの際、走化性因子依存的に好中球の前方にリクルートされることが分かった。このキナーゼの働きを阻害した好中球は、走化性因子の濃度勾配下でランダムに遊走し、「遊走方向」の異常が観察された。一方で、遊走速度は全く損なわれていなかったことから、このキナーゼの働きを阻害しても「運動性の亢進」には影響が無いことが分かった。上記の結果から、好中球のケモタキシスの際に、Giの下流で「遊走方向」を特異的に制御するためのシグナル伝達経路があることが示唆された。本年度は、このキナーゼが前方に集積するのに必要なアダプター蛋白質を見出し、そのノックアウトマウスを作製した。このノックアウトマウス由来の好中球は、キナーゼの前方への集積が起こらず、細胞質に均一に局在した。さらに、遊走時に細胞極性が維持されず、「遊走方向」に異常をきたすこと等を明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Structural basis for interaction between the conserved cell polarity proteins Inscuteable and LGN2011

    • 著者名/発表者名
      Yuzawa, S., et al
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA

      巻: 108 ページ: 19210-19215

    • DOI

      10.1073/pnas.1110951108

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Polarity proteins Bem1 and Cdc24 are components of the filamentous fungal NADPH oxidase complex2011

    • 著者名/発表者名
      Takemoto, D., et al
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA

      巻: 108 ページ: 2861-2866

    • DOI

      10.1073/pnas.1017309108

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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