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2011 年度 実績報告書

接着分子CD44による癌細胞糖代謝制御機構の解明とその阻害に基づく癌治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22790326
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

永野 修  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30404346)

キーワード癌 / 遺伝子 / 細胞・組織
研究概要

本研究は、癌幹細胞に特に高発現している事が知られている接着分子CD44が、癌特有のエネルギー産生経路である好気的解糖系を制御するメカニズムについて明らかにするとともに、CD44発現抑制に伴う解糖系からミトコンドリア依存的酸化的リン酸化経路への代謝経路のシフトによって発生した活性酸素reactive oxygen species(ROS)が、効率的な癌細胞増殖抑制や細胞死を引き起こすか、すなわちCD44によって制御される糖代謝シグナルが癌治療のターゲットとなりえるかについて検討することを目的として以下について研究を行った。
[(1)CD44が解糖表現型において制御するシグナル分子PKM2の機能解析]
CD44の細胞内領域とPKM2の相互作用が癌細胞の糖代謝に関与することが分かった。そのため、グルコース代謝の重要なステップを触媒する酵素pyruvate kinase M2の活性に関わるチロシンリン酸化ステータスの変化を検討した。その結果、CD44の発現抑制はPKM2のチロシンリン酸化状態を低下させるとともに、その活性を負に制御することで、癌細胞の好気性解糖経路を促進することが分かった。
[(2)CD44依存性のグルコース代謝を評価できるアッセイ系の樹立、化合物ライブラリーのスクリーニング]
HCT116p53KO細胞細胞を用いて、CD44依存的代謝制御を標的としたアッセイ系を樹立し、CD44陽性癌細胞にROSの産生を生じさせることのできる化合物について薬剤スクリーニングを行った。スクリーニングによって得られた候補化合物のいくつかはマウス担癌モデルを用いて生体レベルでの腫瘍抑制効果を確認している。
以上の研究成果については、国内外の学会および国際的な癌研究雑誌であるCancer Researchにおいて報告した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Modulation of Glucose Metabolism by CD44 Contributes to Antioxidant Status and Drug Resistance in Cancer Cells2011

    • 著者名/発表者名
      Tamada M, Nagano O, Tateyama S, Ohmura M, Yae T, Ishimoto T, Sugihara E, Onishi N, Yamamoto T, Yanagawa H, Suematsu M, Saya H
    • 雑誌名

      Cancer Research

      巻: 72 ページ: 1438-1448

    • 査読あり
  • [学会発表] CD44 variant isoform regulates antioxidant status in cancer cells via cystine transporter xCT stabilization2011

    • 著者名/発表者名
      永野修
    • 学会等名
      第26回日本整形外科学会
    • 発表場所
      ベイシア文化ホール(群馬)
    • 年月日
      2011-10-20
  • [学会発表] CD44 variant isoform regulates antioxidant status in cancer cells via cystine transporter xCT stabilization2011

    • 著者名/発表者名
      永野修
    • 学会等名
      第70回日本癌学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋)
    • 年月日
      2011-10-04
  • [学会発表] CD44バリアントアイソフォームはシスチントランスポーターxCTの安定化を誘導し癌細胞の抗酸化システムを制御する2011

    • 著者名/発表者名
      永野修
    • 学会等名
      第4回SYMPHONY研究会
    • 発表場所
      ホテルメトロポリタンエドモント(東京)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-10
  • [学会発表] CD44 variant isoform regulates antioxidant status in cancer cells via cystine transporter xCT stabilization2011

    • 著者名/発表者名
      永野修
    • 学会等名
      第29回骨代謝学会
    • 発表場所
      グランキューブ大阪(大阪)
    • 年月日
      2011-07-30
  • [学会発表] Impact of CD44 Variant Form in Gastric Cancer2011

    • 著者名/発表者名
      永野修
    • 学会等名
      SGCC 4th Annual Scientific Meeting
    • 発表場所
      National University of Singapore(シンガポール)(招待講演)
    • 年月日
      2011-07-06
  • [学会発表] CD44 variant isoform regulates antioxidant status in cancer cells via cystine transporter xCT stabilization2011

    • 著者名/発表者名
      永野修
    • 学会等名
      第15回分子標的学会
    • 発表場所
      ホテル日航東京(東京)
    • 年月日
      2011-06-24

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公開日: 2013-06-26  

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