研究課題
申請者は、マイオスタチンの筋線維安定化制御メカニズムについて明らかにする為に、先行研究で作成したマイオスタチン特異的阻害分子過剰発現マウス、マイオスタチン欠損マウスの2種類の筋肥大マウスを用いて研究を進めた。22年度は、骨格筋のプレパレーションの条件検討を重点的に行った。その結果、超遠心を用いたタンパク質分離法によって骨格筋構成タンパク質を分離することが、その後のプロテオミクス解析に有効であることが明らかになった。さらに骨格筋の微量タンパク質分離についても良好な条件結果が得られている。2次元電気泳動に関しては、pHレンジを分けることで目的のタンパク質群を効率的に検出できる条件も定まった。今年度行った条件検討をもとに23年度のプロテオミクス解析を進めていく予定である。並行して行っている筋ジストロフィーモデルマウスであるmdxマウスとmdx/マイオスタチン欠損マウスのプロテオミクス解析については、マウスの交配成績があまり良くなく解析個体を準備するのに時間を要したが、mdx/マイオスタチン欠損マウスを得る事ができた。23年度は、本年度検討したサンプル調製条件をもとに解析をすすめる予定である。本年度、並行し行っていた骨格筋肥大マウスについての研究でマイオスタチン特異的阻害マウスは肥満に耐性を示すことを明らかにした(Am J Physiol Endocrinol Metab. 2011)。本研究結果から、マイオスタチン阻害による筋肥大が脂肪組織、肝臓へも影響を及ぼすことが明らかになった。23年度の研究では、筋組織と他臓器との関わりについても研究を進めていく予定である。
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American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism
巻: Mar;300(3) ページ: 543-553
http://info.fujita-hu.ac.jp/~nanbyou/nanbyou/Top.html