研究課題
ゲノム網羅的な相関解析によって、ガンや糖尿病などの「ありふれた疾患」の感受性遺伝子座が近年、急速に同定されている。今後はその遺伝子座と相互作用し、発現制御を受ける遺伝子群を同定することが、病態メカニズムを解明する上で重要となる。そこで、本研究プロジェクトでは、疾患感受性遺伝子座の下流遺伝子群を同定するために、培養細胞実験系の構築を目的に掲げた。アルツハイマー病(AD)の感受性遺伝座として確立している染色体19番上のアポリポプロテインE遺伝子(APOE)領域を解析対象とした。培養系の確立に際し、APOEを含むゲノム領域全体の詳細な一塩基多型(SNP)やコピー数多型(CNV)のゲノム多型情報を得て、それらをきちんと整理する必要があると考えた。そこで、H23(2011)年度はヒト死後脳(前頭葉)由来のゲノムDNAを用いて、網羅的なSNP-CNVタイピングを実施した。また、同一死後脳(前頭葉)に由来する全RNAを用いて、エクソンレベルの遺伝子発現データを収集した。今後はこれらのゲノム-トランスクリプトームデータを統合して解析し、APOE周辺領域の遺伝子発現と関連するゲノム領域を探索するとともに、培養細胞系による機能解析に発展させる。*使用検体については、ゲノム倫理審査承認済みである。
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Dement Geriatr Cogn Disord Extra
巻: 1 ページ: 267-275
日本臨床
巻: 69(増刊号8) ページ: 93-97
巻: 69(増刊号8) ページ: 565-569