平成22年度研究実施計画のうち、 (1)CTGFの発現の確認されている卵巣癌細胞株を用いて抗癌剤投与後のCTGFの発現を解析し抗癌剤投与モデルを確立については、CTGFの高発現が確認されている細胞株KK、ES-2とCTGFの低発現が確認されているHNOA、 HMOAとCTGFの発現のみられない細胞株コントロールとしてCTGFがホモ欠失している細胞株RMUG-Sを用いて、5種類の抗癌剤(Cyclophosphamide、 Adriamycin、 Cisplatin、 Carboplatin、 Paclitaxel)について、IC50(細胞増殖が50%抑制される濃度)をMTTAssay法をもちいて測定する予定であったが、細胞株HNOA、 HMOAが手にはいらなかったのでかわりに、KF28、 KFr13を用いて行い、より手技の安定しているWSTAssay法を用いて行った。再現性を確認するため、現在実験中である。IC50の濃度の抗癌剤を添加してそれぞれ(2日、4日、6日、8日)培養した細胞株のセルブロックを作製し、免疫組織化学染色法を用いてCTGFの発現を、Tunnel法を用いてアポトーシスの頻度を計測する。この手順をくりかえし、同じ手法を用いた際に安定して同じアポトーシス頻度、CTGF発現が得られることを確認する予定であったが、抗癌剤のIC50が決定しなかったため、Tunnel法のキットがワークするのを確認するにとどまった。 (2)CTGF-siRNA投与による抗癌剤の卵巣癌細胞死誘導への影響の解析については、抗癌剤のIC50が決定しなかったため、CTGF-siRNAが、ワークすることをRT-PCRで確認するにとどまった。 研究目的のCTGFの情報伝達系を解析する目的で高酸素分圧(90%O2に48時間)に暴露したときのCTGFの発現の変動を解析したところ、細胞株KFr13でCTGFの発現の上昇がみられた。
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